社会学部NEWS

2022.03.01

学会大会のオンライン開催をおっかなびっくり主催しました。

 学生からは見えにくい大学の教員の仕事が「研究活動」(べつに隠れてやっているわけでもありませんが・笑)。論文や本を書いたり、学会発表をしたり聞いたり、もちろんフィールドワークや取材、文献調査もある。授業のリアリティというか、アップトゥーデイトのためにも欠かせないのがこの「研究活動」なのだ。
 で、同じ領域に関心のある研究者の集まりが「学会」。この活動も学生からは見えにくいが、学会発表をしたり聞いたりしてお互い情報共有をし、刺激を与えあう会合は、何よりも重要な「学会活動」なのだ。
 ところが、他の多くの集会と同じく、100人単位の人間が全国から一堂に集まる、といったことが、コロナのおかげでこの2、3年計画も実施も難しい。大学の授業と同様、強いられてオンラインとなってしまったのだった。
 私の場合、2021年11月に日本広告学会第52回全国大会(1年に1度、過去52年も続くこれはこれで大事なイベントである)を、紆余曲折の結果オンラインで主催することとなった。オリンピックすら中止か、再延期か、と言っている中での準備だったし、そんな大きなイベントをオンラインで主催するのも初めてだから「おっかなびっくり」。
 とはいえ、やるとなれば、オンラインならではの、アメリカからはアメリカ広告学会会員からの報告(時差はありながらも日本時間に合わせてもらってのリアルタイム)、また、会員は全国各地、自宅からでも勤務先からでも、移動時間はもとより交通費、宿泊費、参加費なしでの大会への参加が可能となった。違った場所に居ようとも、「同じ料理と飲み物(ノンアルコールも選べる)」での「オンライン懇親会」も冷蔵宅配便のおかげで実施し、無事滞りなく3桁の参加者による学会大会を終えた。
 終わってみて、リアルかオンラインかを選べるのであれば、やはりリアルである。一堂に会するという「場」の共有がいかに大事か、いまさらながら身に沁みる。
 しかしながら、ウィズ・コロナの時代は続いている。様々に「おっかなびっくり」しながら、今後も教育(授業は教育です)と研究に向かうのが21世紀の大学の教員の仕事なのだ。

(水野 由多加 教授)