社会学専攻 Sociology ゼミ・卒業研究テーマ

卒業研究テーマの一例

  • シニア世代のつながり形成と役割獲得 −70代夫婦が経営するPAPMA(パプマ)を事例に−
  • 国民性と多様性は共存できるか −小学校における道徳教育から考察する−
  • 新型コロナのTwitterデマ −国内でのトイレットペーパーのデマ発生について−
  • 美容整形と美への考え方 −多くの人が幸せになるには−
  • 女子野球はなぜ競技を継続するのが難しいのか −ジェンダーの視点から−
  • 「一人で食べる」ということ −創られた共食の楽しみと単身者主義−
  • 女性の痩せ願望のゆくえ −体型の多様性の受容を通じて−
  • 幼少期からのテレビ視聴が大学生の得意分野に及ぼす影響
  • グラミー賞とレコード大賞から読み取る日米文化の違い
  • 肉食社会の持続可能性と公正性 −中小加工卸売業から見える世界−
  • ストリートピアノがもたらすもの −神戸から始まる物語−
  • 映画館がつなぐもの −福島県で映画に関わる4名の人生と震災に焦点をあてて−
  • 不寛容なのか?それとも新マナーか? −増大する近隣トラブルの実態と対応−

社会学専攻 学生研究レポート

※年次は取材当時のものです。

東日本大震災から10年。福島県のミニシアターを通して映画館という場の社会的意味を探る。

4年次生 井上 実南

映画館という場で映画を上映することの社会的な意味について、東日本大震災と原発事故の発生後、福島県の人々にとって映画館はどのような役割を果たしたのかに焦点をあてて研究しています。研究にあたっては実際に福島県を訪れ、震災前から現在までにわたりミニシアターや上映会の活動に携わった方々へのインタビューを実施。ミニシアターに携わる方々の思いはそれぞれの人生を反映して劇場の個性につながり、地域の人たちをつなげ、そして感情の放出や整理が自由にできる場として当時、映画館は求められていたことに気付きました。

Interview 社会学専攻を選んだ理由は?

視点を変えて考え直す捉え方を身に付け、人と人のつながりを考えたい。

人と人のつながりにおいて、例えば個人の尊重がうたわれながらも実際は社会や集団への同調が求められるなど、自分の中で割り切れなさを感じていました。社会学専攻では絶対の正解を求めるのではなく視点を変えて考え直すことができると知り、自分がしたい学びはきっとここにあると思いました。

Interview どんな毎日を過ごしている?

【2年次】社会を捉えていくための視点や考え方をより専門的に深める。

1日のスケジュール
10:40 「社会病理学II」を受講
実際に起きた過去の犯罪や事件などについて、世代ごとに現れる特徴を当時の社会的背景から考える授業です。
12:00 友達とランチ
開放感のある悠久の庭でランチを楽しみます。凜風館の屋上にもゆったりできるスペースがあり、お気に入りの場所です。
14:40 「理論社会学II」を受講
「大学生の価値観」という切り口で、戦後以降の日本における政治や仕事、ジェンダー、家族、友人関係などのテーマを捉え、現代社会や今後の社会を考える授業です。
18:00 アルバイト
1年生のときから飲食店でアルバイトをしています。他大学の先輩とも交流が生まれたりと、さまざまな人と出会うことで自分の視野が広がっていることを感じています。

教員からのアドバイス

社会全体というマクロな視点と、個人というミクロな視点の融合が社会学の魅力。

原発事故というマクロな社会事象と、ミニシアターという具体的な現実とを関連させて考察するとともに、調査対象者との信頼関係に基づく深いインタビューで、個人の人生や生活と社会の複雑な関係まで聞きとることができました。奥行きのある社会学の研究と言えるでしょう。

古川 誠 准教授

生活者の視点に立つことを常に意識し、社会課題の本質に目を向けていく。

4年次生 吉田 晃翔

大阪の鮮魚の評価が低いことに疑問を抱き、環境社会学ゼミで学んだ西淀川公害が関連しているのではという仮説を立てて研究しています。社会の課題を考える際に今問題となっているのが、実績の見えやすい技術的解決が重視され、生活者の視点が置き去りにされているということ。生活者の視点をもつために当事者となる人々の話に耳を傾け、何がどのように結びついているかに着目して、課題の本質的な解決方法を導き出したいと考えています。

Interview 社会学専攻を選んだ理由は?

人々の行動と社会の動きについての関係を明らかにしたいと思ったから。

「なぜ地域によってエスカレーターの立ち位置が違うのか」など、社会や人の動きに関心がありました。社会学はそのような人の行動と社会の動きとの結び付きを解き明かす学問であることを知り、社会学専攻で学びたいと思いました。

Interview どんな毎日を過ごしている?

1日のスケジュール
8:45 登校
キャンパスから徒歩圏内の下宿から通学しています。落ち着いた住宅街で大学からの距離も近く、過ごしやすい地域です。
9:00 「英語」を受講
例えば「ハワイに旅行に行くときに持っていく持ち物は」など、さまざまなテーマについて英語でプレゼンテーションを行う講義です。
13:00 「社会学総論」を受講
社会学専攻の各先生方の研究内容や特色を知ることができ、その中から自分がこれから学びたい内容を見つけることができます。
15:30 バドミントンサークル
今まで軟式テニスをしていましたが、大学で新しいことを始めたかったのと、学部を超えた人間関係を築きたいと思い参加しました。

教員からのアドバイス

独自の視点を取り入れたアプローチこそ社会学研究の醍醐味。

吉田さんは食べるのが大好きだという「魚」を切り口に研究テーマを設定しました。このように自分との接点をいかに見いだせるかが、社会学研究において非常に重要です。当事者の方々の声から何をすくい上げることができるのかが今後の鍵になると思います。

大門 信也 准教授

自らの問題意識をもとに、国境を越えたアイデンティティの確立について考える。

4年次生 松室 佳惠

私は中国残留婦人三世として、小学6年生の時に家族とともに日本に移住してきました。この経験から、ゼミでは「国境を越える子ども達のアイデンティティの確立」をテーマに研究を進めています。留学生の友人へのインタビューを通して、私自身が抱いてきた悩みが、自分だけの悩みではないと知ることができました。この自他の経験を論文にすることで、また誰かの役に立てるかもしれないと考えると、国際社会学を学んでよかったと思います。

Interview 社会学専攻を選んだ理由は?

世の中を全体から捉える視点を得たいと考えたから。

世の中全体を俯瞰する視点を身に付けたいと考え、高校の先生に相談したところ、社会学部を勧められました。関西大学のオープンキャンパスに参加したことで、ここで学びたいという気持ちが明確になりました。

Interview 社会学専攻のオススメ講義は?

自らの経験を広い視点から捉えられるように。

「国際社会学」の授業で、私たちが考える「日本人」の条件と現実とのギャップを考える機会がありました。私は成長の過程で無意識のうちに悩みを抱いてきたのですが、その悩みを社会全体の問題として考えることができると知り、視野が開かれたと感じました。

Interview 社会学専攻の魅力は?

多様なアプローチから社会のしくみを学べる。

世の中がどのように成り立っているのか、また社会と自分がどのように関わっているのかを、広い視点から学ぶことも、ある事象に注目して学ぶこともできます。学びを通して、携わりたい分野を見つけてください。

教員からのアドバイス

「なぜ?」を問う思考力は人生の強い味方になるはずです。

学びを通して、自分の中にある言葉にならない悩みに答えを見つけた松室さんの話は、社会学の本質を体現するようなエピソードだと思います。社会の「なぜ?」を根源から考える思考力は、人生のあらゆる場面で役立つと思います。

酒井 千絵 教授

大学生と専門学生の社会的立場の違いを知り、自分の職業観が変わった。

4年次生 古家 和斗

山本先生のゼミで昨年度は専門学校卒の社会的立場について研究しました。このテーマを選んだのは、企業の募集要項を見た時に両者の給与面の違いについて疑問に思ったからです。そこで私は「技術より知識への評価が上回る」という仮説を立て、専門学校の見学や先生方へのインタビューなど、実地調査を行いました。その結果、AIの時代に求められるのは働き手の技術力ではなく、考え方もしくは適応力ではないかという結論にたどり着き、自身の働き方の価値観も変わりました。

Interview 社会学専攻を選んだ理由は?

基礎的な知識を学べる環境が整っている。

学問的なことを学びたかったからです。社会学専攻では他の3専攻の中心となる基礎的な知識を蓄積できる環境が整っており、そこから幅広く興味を深めていけます。

Interview 社会学専攻のオススメ講義は?

福祉現場の生の声を聴くことができる。

「社会福祉学」では地域で活動している人達の生の声を聴けます。そこで自分が抱いていた福祉のイメージとのギャップを痛感し、現場の実情を知る大切さを学びました。

Interview 社会学専攻の魅力は?

広く社会を見る姿勢を養うことができる。

一見関係なさそうな知識を結び付けて考えることで新しい視座が得られます。「教育社会学」で伺ったお話では、子どもが回転ドアに挟まれる事故の話が日本の教育問題に結び付き、目からウロコが落ちました。

教員からのアドバイス

「自分にとっての意味は何なのか」を追求する姿勢が大事。

何を研究するにしても自身にとっての意味は何なのかと考える姿勢を忘れないでください。自己の存在に結び付くことや、自分に関わりのあるテーマこそ興味をもてるし、研究のし甲斐もあります。

山本 雄二 教授

朝鮮学校への取材を重ね、在日コリアンの方々に対する偏見を取り払う。

4年次生 天野 愛衣

もともとK-POPが好きで韓国に興味があり、ゼミでは在日コリアンをテーマに研究しています。定期的に朝鮮学校を訪ね、職員や生徒に取材を実施。在日コリアンの方々の思いや実態を正しく伝え、日本社会における偏見を取り払うことが目標です。朝鮮学校の生徒はみんな日本語が母語で、第2外国語として韓国語を学んでいます。私も韓国語を勉強しているので、生徒と同じ目線に立ち、言語教育研究の面からも何かアプローチできないか模索しています。

Interview 社会学専攻を選んだ理由は?

幅広いテーマから興味のある分野を研究できる。

私たちを取り巻く社会のしくみや多様な問題について扱う社会学。社会学専攻ならではの幅広いテーマに触れ、そこから興味が湧いた分野を絞って研究していきたいと考えました。

Interview 社会学専攻のオススメ講義は?

現代社会が抱える問題に広く触れる。

社会学に関連するさまざまな書籍を事前課題として読んだ後、先生が授業で解説する「現代社会論」。この授業で在日コリアンの問題について知り、ゼミで掘り下げて研究しようと決めました。

Interview 社会学専攻の魅力は?

「外」に出て見識を深める楽しさ。

社会を学ぶためには、「外」に出ることが欠かせません。ゼミで日雇い労働者の街を訪れたり、イスラム教の礼拝堂を見学したりと、アクティブに行動しながら見識を深めています。

教員からのアドバイス

一歩踏み込んだ調査でアイデンティティーを浮き彫りに。

社会学は世の中の構造や物事の本質・関係性に迫る学問です。天野さんには、強い探究心で一歩踏み込んだ調査を行い、日本社会の中に暮らす外国人の状況を理解してほしいと思います。

宇城 輝人 教授