心理学専攻 psychology カリキュラム
講義・実習の分類
認知心理
人が何かを感じたり、考えたり、記憶したりするのはどのような仕組みになっているのかを実験を通して学びます。
- 科目例
- 知覚・認知心理学、心理学実験、実験心理学、認知神経科学、学習・言語心理学、神経・生理心理学、社会的認知
社会心理
人は周囲の人と互いに影響を与えあいながら生活しています。人との相互作用の仕組みを学びます。
- 科目例
- 対人心理学、コミュニケーション心理学、社会心理学、グループ・ダイナミックス、意思決定の心理学、文化心理学、環境心理学、司法犯罪心理学、法と心理学
産業心理
日々の消費生活や仕事をする中で生じる諸問題を、心理学の知識と方法をもって解き明かしていきます。
- 科目例
- 産業・組織心理学、ビジネス心理学、キャリア心理学、広告心理学、消費心理学
心理測定
人間の心をどのように測定するかを学びます。さらに、人の心の仕組みを明らかにするための方法を学びます。
- 科目例
- 心理学統計法、情報処理基礎演習、情報処理演習、心理測定論、心理調査法、心理学データ解析演習、応用心理測定論
臨床心理
人の心理的な悩みや問題の原因や解決法、予防法について学びます。自分の心を知るとともに、他者の心とどのように向き合うかを学びます。
- 科目例
- 感情・人格心理学、発達心理学、教育心理学、カウンセリング論、臨床心理学概論、健康心理学、心理的アセスメント、心理学的支援法、臨床心理学基礎実習、異常心理学
- 特定の系統の科目をより集中的に学ぶか、よりまんべんなく学ぶかは、関心や進路目標にあわせて決めることができます。
クローズアップ講義・実習
基礎研究I・II
心理学を学ぶための考え方と手法を実践的に学ぶ。
大学入学後すぐ受講する心理学基礎研究では、心の働きを「心理学」という枠組みで理解することを目標としています。例えば、あなたしか乗っていないエレベーターに、知らない人が乗ってきて、あなたのすぐ隣に立ったとしたらどのような気持ちになるでしょう。人はそれぞれ自分自身の見えない縄張りのようなものを持っています。心理学ではこれを個人空間またはパーソナル・スペースと呼んでいます。私たちは、知らない人同士では、できるだけその縄張りが重ならないように行動しています。このように、私たちの心が作り出す日常生活におけるさまざまな現象やしくみを、心理学的知識・見方・考え方を通して理解することで、心理学のおもしろさと学び方を習得していきます。
初級心理学実験実習
研究を行うためのさまざまな手法を身につける。
心理学実験実習は、2年次の春学期と秋学期、そして3年次の春学期と、段階的に心理学研究の基本的なスキルを身につけてもらうための実習です。2年次の前半で履修する「初級心理学実験実習」では、自分で実験・調査を行って、そして自分で採取したデータを分析するプロセスに重点がおかれています。知識を覚えるよりも、むしろ、みんなで手を動かし、さまざまな種類のデータを使って、研究に必要な統計手法やレポート作成の仕方を身につけます。コンピュータの操作についても、ガイドに従ってソフトウェアを動かしていくうちに、データ処理と解釈の手続きが自然に身につくように組み立てられています。研究の「現場」の入り口に立てる授業です。
社会心理学
人間関係の基礎を理解する。
社会心理学は、人間関係に関する心理学を全般的に扱います。人はなぜ、どのように他の人を好きになったり嫌いになったりするのか? 人間関係や集団での話し合いがうまくいく方法はあるのか? チームのリーダーはどう振る舞うのがよいのか? など、複数の人が互いに関係を作るときの行動の法則について研究します。このように、社会心理学では「社会」といっても社会科でイメージする「社会」ではなく、対人関係の心理学です。「社会心理学」は英語などの”social psychology”から来ていますが、そもそも”social”の一番中心的な意味は「対人関係の」「人付き合いの」といったような意味です。 社会心理学は、コミュニケーション心理学、キャリア心理学、ビジネス心理学などの、多数の人が織りなす行動を理解する全ての心理学の分野の、基礎となる心理学です。
コミュニケーション心理学
伝える心、伝わる心を理解する。
コミュニケーションとは、送り手と受け手の間で情報、意見、態度を共有しようとする試みです。私たちのふだんの生活のなかでも、対面・電話でのおしゃべりや、相談・指導・営業活動、SNS上でのやりとり、さらにはマス・コミュニケーションなど、さまざまな形態でのコミュニケーションがあります。この講義では、コミュニケーションの基盤となるもの、日常的あるいは非日常的なコミュニケーション、コミュニケーションと社会との関連などについて、主要な心理学の理論の紹介と、現実場面での応用例について紹介します。
キャリア心理学
生きること・働くことにまつわる意思決定メカニズムを学ぶ。
人生は選択であふれています。とくに「学校」や「職業」の選択は人生を通して行われる選択でもあり,多くの人が悩みを抱えます。たとえば,学校を卒業すると待ち受けているのが職業の選択ですが,どんな職業が自分に合うかと悩んだり,望んだ企業に就職できたとしても期待と現実のズレが大きく「リアリティショック」に陥って働く意欲が維持できなかったりと,選択の難しさを感じる人は少なくありません。キャリア心理学では,こうしたキャリア<生きること・働くこと>にまつわる選択やその後の適応に関するさまざまな現象を取り上げ,それぞれの現象のメカニズムについて心理学的に理解していきます。そのうえで,より良い選択・適応を促すキャリア教育・支援について考えていきます。自分自身のこれからのキャリアを考えるきっかけにもなる授業です。
ビジネス心理学
売り手と買い手に潜む心理を科学的視点から理解する。
モノを買うという行為はあまりに日常的すぎて、意識することは少ないかもしれません。しかし、そこには非常に複雑で興味深い「売り手」(企業や小売店)と「買い手」(消費者)の心理的活動が展開されています。例えば、なぜ“期間限定”や“人気商品”などのPOP広告がつくと、その商品が魅力的に見えてしまうのでしょうか。“298円”や“1980円”だと、実際以上に安く感じてしまうのはなぜでしょうか。ビジネス心理学では、こうした消費生活を取り巻く身近な諸問題を取り上げ、企業のマーケティング活動とそれらに影響される消費者の心理について、関連する実証研究や事例を基に学んでいきます。商品開発の背景や購買行動のメカニズムを理解することで、明日からの買い物がもっと楽しくなることでしょう。
異常心理学
心の病気(うつや不安)のメカニズムを学ぶ。
異常心理学では、様々な心の病気(うつ病,不安症,統合失調症などの精神疾患)がなぜ生じるのか、原因やメカニズムを理解することを目標とした講義です。人は同じ経験をしても、感じ方(感情)や捉え方(認知)は異なります。感情や認知の違いが精神疾患の発症にどう影響を及ぼすか、この講義では紹介していきます。さらには、脳の働きや遺伝の影響なども学びます。精神疾患の原因やメカニズムを理解することで、精神的に健康でいるために必要なことが見えてくるでしょう。
講義・実習一覧
1年次
- 必修科目
-
- 基礎研究Ⅰ・II
- 心理学総合研究Ⅰ・II
- 入門心理学Ⅰ・II
- 選択科目
-
- 基礎社会学Ⅰ・II
- 心理学統計法
- 情報処理基礎演習
- 情報処理演習Ⅰ
2年次
- 必修科目
-
- 基礎演習Ⅰ・II
- 初級心理学実験実習
- 中級心理学実験実習
- 選択科目
-
- 心理学実験
- 実験心理学
- 心理学概論
- 知覚・認知心理学
- 社会的認知
- 感情・人格心理学
- 異常心理学
- 社会心理学Ⅰ・II
- 対人心理学
- コミュニケーション心理学
- グループ・ダイナミックス
- 意思決定の心理学
- 心理調査法
- 産業・組織心理学
- ビジネス心理学
- キャリア心理学Ⅰ・II
- 教育心理学
- 発達心理学
- 臨床心理学概論
- 心理学研究法
- 学習・言語心理学
- 司法・犯罪心理学
- 人体の構造と機能及び疾病
- 公認心理師の職責
- 教育相談(カウンセリング)
- 心理測定論
- 心理学特殊講義Ⅴ
- 専攻横断型講義(各テーマ)
- 情報処理演習II・III
- 差別と社会Ⅰ・II
- 社会学概論Ⅰ・II
- 経済原論Ⅰ・II
3・4年次
- 必修科目
-
- 専門演習Ⅰ・II
- 卒業研究Ⅰ・II
- 選択科目
-
- 健康・医療心理学
- 健康心理学
- 認知神経科学
- 神経・生理心理学
- 文化心理学
- 環境心理学
- 広告心理学
- 消費心理学
- 心理的アセスメント
- 心理学的支援法
- 精神疾患とその治療
- 社会・集団・家族心理学
- 障害者・障害児心理学
- 福祉心理学
- 教育・学校心理学
- 関係行政論
- 応用心理測定論
- 法と心理学
- 心理学特殊講義Ⅰ〜IV
- 外国文献研究Ⅰ・II
- 上級心理学実験実習
- 心理学データ解析演習Ⅰ・II
- 心理演習
- 心理実習(4年次配当)
各講義・実習の詳細は、関西大学シラバスシステムでご確認ください。
- 演習等の少人数制の科目は他専攻が履修できない場合があります。
- 卒業するには、所属専攻の科目から所定の単位を修得する必要があります。
- このカリキュラムは2024年度のものです。