社会システムデザイン専攻 Social system design ゼミ・卒業研究テーマ
卒業研究テーマの一例
- 会話トピックに関するネットワークから快適な会話を考える
- 企業組織におけるサーバントリーダーシップの導入
~内向的な人でもリーダーとして活躍できる~ - Jリーグとプレミアリーグの比較を通じたJリーグ発展の可能性
- 日本の公教育としての学校の限界とその存在意義の再検討
~学習塾やサードセクターとの連携可能性を模索して~ - 『推し活』の社会的意義と経済的影響
- ファッション産業における販売戦略の進化
−SNSとインフルエンサーが生む新たな価値 − - 子育て政策と女性の活躍の関係性について
- 地方と都市におけるショッピングセンターの役割
−類似点と違いの分析 − - 小売業界のIT化における消費者の行動心理
- ソーシャルビジネス
−ジェンダー問題へのアプローチ − - 企業経営の本質から考察するパン屋の経営
−ロスを減らすために − - 投票行動に影響を与える個人的要因の探索
−市民の思考にフォーカスした国際比較分析 − - 大学生のスマートフォン依存について考える
- 救急需要拡大に伴う救急車の有料化について
~日本において最も効果的な有料化政策とは?~ - 少子化と信頼
~政府への信頼が出生率に及ぼす影響~
社会システムデザイン専攻 学生研究レポート
※年次は取材当時のものです。
複数のデータの関連性を調べることで、当初の予想と異なる事実が見えてきた。
3年次生 野﨑 真実

「都道府県ごとの観光政策の価値」をめぐって、国内観光客の数の違いがどのような要因に影響を受けているのかを研究しています。観光庁などの国のデータを使用し、交通網の利便性、文化財の数などのデータを比較。「文化財が多ければ多いほど観光客が来る」と予想しましたが、経済的な豊かさなど観光客数に関係する要因は多様であることがわかりました。複数の要因の関連性を調べることで、どの要因がより結果に大きく関与しているか見えてくる点におもしろさを感じます。
教員からのアドバイス

正確なデータを自分で分析、活用する力を身に付けてほしい。
現在はインターネットやAIを使って、さまざまな情報を調べることができます。しかし、だからこそ学生にはデータの出典を確認し、事象の成り立ちを自分で考え、根拠にもとづいて判断する力を高めてほしいと考えています。
木村 匡子 准教授
地域を活性化し、地域に支えられる観光開発を多角的に分析。継続的な成功の要因を探る。
3年次生 小池 言葉

香川県の直島における観光開発を研究しています。かつて失敗に終わったリゾート開発と、十数年にわたって開催されてきた瀬戸内国際芸術祭を比較すると、地域の人々と開発側の関係性に違いがあることが分かりました。歴史や地理環境など、その土地ならではの資源と結びついた観光開発の成功事例は、他の地域の活性化にも参考になる点が多いと感じます。現地でのフィールドワークも行いながら、研究を多角的に進めています。
教員からのアドバイス

理論と実証の両輪を取り入れた研究に期待しています。
小池さんは理論と実証に歴史分析も加え、意欲的に研究に取り組んでいます。観光開発の成否の基準について熟考を重ね、現地に足を運ぶことで見えてくる人々の想いを尊重して、よりよい研究にしてほしいですね。
橋本 理 教授
少子化の背景にある未婚や晩婚と女性の高学歴化がどう関わり、どう変化してきたかを調べる。
4年次生 芳賀 美月

女性の社会進出が少子化に与える影響を研究しています。女性の高学歴化で未婚化・晩婚化が進むということがよく指摘されますが、近年はそうした傾向が弱まっているのではないかということを分析しました。3人のチームで研究しているため、出た結果をもとに話し合って新たに根拠となる文献を探し、設定を見直しながら進めています。これまでの地域別の分析では転居した場合に対応できないため、今後は個票データを使用し、経済の視点も加えて研究する予定です。
教員からのアドバイス

社会の変化を理論に基づいて捉え、研究を深めてほしい。
結婚や出産の選択には、社会制度や経済的な環境が深く関わっています。芳賀さんは社会システムを経済理論に基づいて学んできました。その視点を生かして、経済学的なアプローチで研究をさらに深めてくれることを期待しています。
木村 匡子 准教授
スポーツにおいてホームスタジアムで戦うメリットを、膨大なデータの分析を通して明らかにする。
4年次生 中富 竜也

プロバスケットボールBリーグにおけるホームアドバンテージの影響について研究しています。研究には人やモノ、組織がもつネットワークが社会に与える影響を考える「ネットワーク分析」の手法を用います。全試合の観客数や得点数をはじめとする膨大な記録をデータ化し、そこからホームチームが受けるアドバンテージを明らかにします。データのとり方や分析のプロセスは簡単ではありませんが、社会に出た後に必ず役に立つと感じています。
Interview 社会システムデザイン専攻を選んだ理由は?
社会の問題を発見し、解決する理論や知識を身に付けたいと思ったから。
高校時代、最上級生として部活の問題を考え、解決する難しさを実感した経験から、企業や国際社会、地域スポーツなど広い社会の中で起こる問題を発見し、解決に導く手段を学べる社会システムデザイン専攻を志望しました。
Interview どんな毎日を過ごしている?
【3年次】専門的な理論や手法を身につけ、個別のテーマを深掘りする。
1日のスケジュール
- 12:00 登校
- 大学ではどのように学びを進めるかで、午後から授業を受ける日を設けることも可能。講義が始まるまでにランチを兼ねてゼミのメンバーと課題について話し合います。
- 13:00 「社会システムデザイン実習」を受講
- 「社会ネットワーク分析」の基礎的な理論や、分析に用いるソフトウェアの操作も学びます。
- 14:40 ゼミを受講
- 安田ゼミに所属し、「社会ネットワーク分析」のさまざまな理論・手法への理解を深めながら、個々の研究テーマを掘り下げます。
- 17:00 アルバイト
- 少年サッカークラブでのコーチのアルバイトでは、子どもたちに適した技術指導や声かけなど、コーチングの奥深さを学んでいます。
教員からのアドバイス

自分の視点に学術的な理論を加えて研究の価値を高めてほしい。
選手は観客が自分を見ていることを知り、観客もそれを知っている。こうした視線の循環がある種の「儀式」として働き、ホームアドバンテージを生む。このようなゲーム理論の視点を加えることで、中富さんの研究はより面白くなると思います。
安田 雪 教授
労働に関する課題を比較により浮き彫りにし、働く人を支えるより良い形を模索する。
4年次生 小寺 香穂

在宅勤務が仕事と子育ての両立に与える影響について、在宅勤務が普及しているアメリカと日本を比較しながらその関連性を探っています。赤枝先生のゼミで、自分や日本での「当たり前」が、他者や海外の「当たり前」ではないこと、そして両者の「当たり前」を比較することが双方の理解につながり、社会の課題を考える上で重要であると学びました。その視点を生かして研究を進めるとともに、将来は人々が自分らしく働けるようにサポートする存在になりたいです。
Interview 社会システムデザイン専攻を選んだ理由は?
幅広い視点で社会全体を学ぶことが自身の成長につながると思ったから。
当初はメディアの分野に興味があったのですが、社会システムデザイン専攻では経済、経営、人類学なども含めて学べることを知り、幅広い視点で社会全体を捉えられることに魅力を感じてこの専攻を志望しました。
Interview どんな毎日を過ごしている?
1日のスケジュール
- 9:00 「グローバル化のなかの文化と社会」を受講
- 例えばマクドナルドのようなグローバル企業でも、国・地域に最適化した商品を提供していることを知り、とても印象的でした。
- 10:40 「メディア研究方法論」を受講
- ビジュアルデータの分析やアンケート実施など、今後研究を進めるにあたって必要となる具体的な調査方法を学びました。
- 14:40 ゼミを受講
- 赤枝先生の「コミュニティの比較社会学」ゼミに所属。日本と海外を比較したさまざまな事例をテーマにゼミ生同士で話し合っています。
- 17:00 アルバイト
- 多様なお客さんに臨機応変に対応できる力を身に付けたいと思い、大学入学時からレストランでホールスタッフのアルバイトをしています。
教員からのアドバイス

好奇心を大切にしながら、幅広い視点や考え方を身に付けてほしい。
社会システムデザイン専攻はさまざまな分野の先生方から学ぶことができるので、学際的な考え方を修得できます。好奇心旺盛な小寺さんには、ぜひこの場を生かしてさまざまなことに挑戦し、多様な視点をもってほしいと思います。
赤枝 尚樹 准教授
人々の選択や行動を科学的に分析し、社会と経済のより良い形を考える。
4年次生 沈 宗遠

行動経済学やゲーム理論を通して、人々の意思決定のメカニズムについて学んでいます。私たちの日常には不確実な要素が多く、人々が理論通りに行動するとは限りません。しかし「なぜこうした結果になったのか」を考える際に、理論に基づく仮説の設定とその検証は非常に有効であり、この学びに出合えてよかったと感じます。今後は留学生と日本人の経済的行動の違いについて研究を進め、お互いの理解を深めるきっかけを作りたいと思います。
Interview 社会システムデザイン専攻を選んだ理由は?
社会やビジネスについて幅広く学べるため。
日本への留学を決める時点では、将来のイメージが明確ではありませんでした。幅広く学んで視野を広げ、自分に合った学びを追究できる場所をと考えた結果、社会システムデザイン専攻を選びました。
Interview 社会システムデザイン専攻のオススメ講義は?
人間行動を理論的に捉える面白さを実感。
「システムデザインリテラシー」です。例えば、1万円を100%の確率で受け取るか、2万円を50%の確率で受け取るか、人々がどのような選択をするのかを理論的に分析できることを学びました。
Interview 社会システムデザイン専攻の魅力は?
学ぶなかでやりたいことが明確になる。
私は幅広い分野について学んだ上で、行動経済学と出合うことができました。やりたいことがはっきりしていなくても、この専攻で学ぶうちに進みたい道が見つかります。社会とビジネスを広く深く学べる点が魅力です。
教員からのアドバイス

社会現象を因果関係からとらえる、合理的な思考を身に付けよう。
何が原因なのか、どれが結果なのかを冷静に考えられる、合理的な思考を学べるのが社会システムデザイン専攻の特色です。
小川 一仁 教授