社会学部NEWS

2020.04.28

部落問題研究四半世紀

 昨年度末に『被差別部落マイノリティのアイデンティティと社会関係』(解放出版社)を発刊しました。大学の授業を通じて学生時代に出会った、被差別の当事者として差別と闘ってきた被差別部落の人々への「他者」理解を試みて、四半世紀近く自分が欲していた研究を続けてきた成果のひとつが、本書です。
 新型コロナウィルスの影響にともなって、表面化している差別への対応が社会にとって喫緊の課題になっていますが、かつての私が経験したような、差別の撤廃のために重要な役割を果たしてきた、大学での多様な「他者」とのリアルな出会いの場も、現在は失われています。
 オンライン授業が開始され、教材などを通じてのできる限りの学びの場を用意していますが、大学において、ふたたび「他者」との「協働」「共学」を通じた「共生」関係の形成の場を取り戻せるよう、一刻も早いパンデミックの収束を願うばかりです。

(内田 龍史 教授)