社会学部DAYS

2019.04.01

大学の「外」での学び

  • 社会学専攻

 大学の教員をしていると、「研究はたのしそうですね」とか、「学生の教育や指導がたいへんなんじゃないですか」といった言葉をかけていただくことがあります。いずれも大学教員のたいせつな仕事なのですが、くわえてもうひとつ、社会連携という分野が重視されるようになってきました。
 近年では、社会的な活動に教員や学生がかかわっていくような能動的なものがめだちますが、基本になるのは研究成果の社会還元です。社会人を対象とした講演会は、多くの大学がとりくんでいる定番行事なので、テーマの設定や受講生の獲得がむずかしく、効果的とはみなされないきらいがあります。しかし、社会と大学をつなぐ地道な努力としておろそかにはできません。
 写真は、私が先日担当した関西大学東京センターでの講演のようすを撮影していただいたものです(3月24日、関西大学地域連携センター「関西大学文化学術セミナー」)。社会学部の卒業生には東京圏で働いている人、家族と暮らしている人もすくなくありません。当日は、これら卒業生のみなさんも、たくさん参加されました。
 受講された方がたからは、「学生時代にもっと勉強しておけばよかった」という言葉が聞かれました。これは、現役学生への戒めとも受けとれます。けれどもいっぽうで、大学が生涯学習の機会を提供しつづけていれば、人はいつでも勉強したくなったときに勉強できるということをも意味します。もちろん、母校だけでなく、他の大学の行事に参加することも有意義でしょう。
 この春卒業したみなさんも、こういった機会をぜひ活用していただければと思います。

(永井 良和 教授)