社会学部DAYS

2020.08.08

オンラインで地域調査はどこまでできる?(準備編)

  • 社会学専攻

 社会学専攻酒井ゼミでは、「水源地の村」として地域づくりにとりくみ、都市部からの移住者も増えている奈良県川上村での調査研究を昨年から継続して行っています。しかし春学期は、新型コロナウイルス感染拡大により、大学での対面授業が不可能になってしまいました。そのため4月から文献購読や議論をオンラインで行い、直接会えないもどかしさはありつつ、調査のイメージを共有してきました。その流れで、昨年は6月下旬に川上村定住促進課から来ていただいて行ったレクチャーを、川上村からzoomで参加してもらい、グループごとの議論はGoogleドキュメントで共有という「新しい共同作業」で行うことになりました。当日は「都市にはない豊かな暮らしとはなにか?」に関心が集まり、「都市の豊かさは交通や買い物の便利さだが、川上村の豊かさは消費とは異なる豊かさ」「時間の流れ方が違う」「高い建物がなく、空間的に開放的」など、多様な意見が出て、とても有意義な時間となりました。議論を見ていて、都市部の人の多さや感染リスクの高さが顕在化したことで、昨年とはまた異なる見方も出てきたのかなと感じました。
 今後は皆で共有した関心・疑問を、調査によって明らかにしていくことになりますが、秋学期以降の授業実施も先が読めず、実際に現地に入ることも難しい可能性も高い。実際どのように調査を行えるのか、頭を悩ませていますが、教員の工夫とゼミメンバーの熱意で乗り越えていきたいと思います。

(酒井 千絵 教授)