関西大学 文学部

文学部の概要

学部長からのメッセージ

文学部長 藤田高夫

関西大学文学部で学ぶ人文学

「一文字学部」という言葉があります。近年の日本の大学には、ユニークで長い名称の学部がずいぶんありますが、それに対して「法学部」「工学部」のように学問分野が一文字で表される伝統的学部のことを「一文字学部」と呼び、文学部もそうした「一文字学部」の代表的存在です。

「法」や「工」が何を示すかは明らかでしょうが、文学部の「文」とはどんな学問分野なのでしょうか。それは狭い意味での「文学(literature)」ではなく、「人文学(humanities)」と呼ぶべきものです。人文学は端的に言えば「人間とは何か」「文化とは何か」という普遍的問題を問い続ける学問です。ですから、人文学のカバーする領域は非常に広汎なものになります。かつて大学の文学部は、「哲学・史学・文学」の3分野から構成されることが普通でした。この分野は、人文学の根源としてほとんどの大学の文学部に今でも開設されています。関西大学文学部にももちろんあります。それとともに、人文学自体の発展と社会状況の変化に対応して、多くの新しい分野が加わってきました。関西大学文学部が19の多彩な専修を設けているのは、その現れなのです。同時にこの19専修は、人文学という共通の基盤の上での多様なアプローチを可能とする仕組みでもあります。

人文学はすぐに役立つ知識を効率的に教えてくれるものではありません。すぐに役立つことはすぐに陳腐化するものですし、手際よく手に入れた知識は困難に対してもろいものです。むしろ、問題に直面したときに根源に立ち返って問いかけ、深く考え、自ら答えを導き出す力、これを身につけるプロセスが文学部での学びなのです。そして、そのような力こそが、人間社会の中で生きていくためになによりも求められる力にほかなりません。

21世紀の今日、ICTに代表される技術の発展とそれによって加速されたグローバル化の進展が、これまでの価値観や社会構造を大きく変容させています。それにともなって人間が生み出す知識は膨大なものとなり、その全てを得ることは一生をかけても不可能でしょう。大切なことは、圧倒的な情報の波にも押し流されないコアをしっかりとかたちづくることです。文学部での四年間が、みなさんのそうした学びを実現する時間となることを私たちは信じています。

文学部長藤田高夫