所蔵資料

助六由縁江戸桜(すけろくゆかりのえどざくら)

助六由縁江戸桜(すけろくゆかりのえどざくら)

 佐藤永芳(さとうえいほう・1909~1969)は、川崎小虎に師事した岐阜県出身の日本画家です。この作品は、歌舞伎十八番のひとつ『助六由縁江戸桜』を題材にして、助六が「花道」から登場する場面を描いています。背景となっている居並ぶ花魁を地味な色彩で簡略な筆致で描いているのとは対照的に、助六の黒の紋付からみえる緋色の襦袢、江戸紫の鉢巻、紺の蛇の目傘は色彩豊かに描かれています。白塗りの顔にむきみ隈で見栄を切る助六の表情は丁寧に描かれ、江戸時代以来の役者絵の伝統をうかがうことができます。

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