2024年度高校生対象セミナー「人々の安全を科学する-触れ、試し、学際的に学ぶ―」を実施しました
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執筆者:中村隆宏、一井康二、細川茂雄、河野和宏(チーム社安@教員広報)
関西大学では、高校生向けに、模擬講義の実施や大学の講義への参加など、様々なプログラムを提供しており、その中の一つに、「関大の研究を学ぶ」というのがあります。社会安全学部では、例年、この「関大の研究を学ぶ」セミナーを開催しており、2024年度は、10月26日に開催しました。
テーマは、「人々の安全を科学する-触れ、試し、学際的に学ぶ―」です。講義、演習、実験という、異なるスタイルで、私たちの生活の安全を守ってくれている身近な仕組みを学んでもらうプログラムとなっています。
https://www.kansai-u.ac.jp/renkei/event/entry/entry078873.html〇講義 「感じる、考える(安全と心理学)」 社会安全学部 教授 中村 隆宏
「心理学」と聞くと、何か特別な能力を授かるような気がするかもしれませんが、実際にはそんなことはありません。むしろ、日常的に身近なところにも、心理学の研究対象となるテーマはたくさん存在しています。もちろん、事故や災害にも、密接に関連しています。将来、心理学を学ぶ機会に巡り合ったなら、先入観にとらわれずに素直な気持ちのまま、飛び込んでみて下さい。以下が参加された方の感想の抜粋です。
・ 思っていた心理学とちがいもっと身近なものだったんだと知った。楽しかった。
・ 普段気にしないようなところにも関連していることがわかって面白いと感じた。
・ 社会の安全の深さをよく知りました。〇演習 「見て、話す(耐震工学)」 社会安全学部 教授 一井 康二
大地震であっても、すべての建物が倒壊する訳ではありません。そこで、トルコ・シリア地震の事例をもとに、地震前の写真から、実際に倒壊した建物と倒壊していない建物を推定するゲームをしました。そして、グループでの議論により試行を深める経験を楽しんでもらいました。以下が参加された方の感想の抜粋です。
・ 知らない人とのグループワークでとても緊張しましたが、様々な人の考えが知れて楽しかったです。
・ グループワークを行うことで他の班でちがった対策法があったり、共感するところがあり、みんなで一つの問題に取り組んでいる一体感があり面白かった。
・ 耐震工学についておもしろいと感じた。〇実験 「触れ、試す(安全工学)」 社会安全学部 教授 細川 茂雄
機械システムの事故では圧力が関わることが多いため、圧力の説明と大気圧を実感する実験を行いました。具体的には、空き缶に少量の水を入れ、コンロで加熱して空き缶を蒸気で充満させた後、空き缶の口を下にして水の中につけます。こうすると、空き缶内は蒸気が急冷されて真空になり、空き缶外部の大気圧により押しつぶされます。以下が参加された方の感想の抜粋です。
・ 圧力の話とか身近なもので説明していて分かりやすかった。大きな音がして感がつぶされるのが印象に残った。
・ プロジェクターを通して学んだ事を実験で実際に体験できてとても楽しかったです。
・ 習ったことを実験でできたのがうれしかったし、原理を理解できてたのしかったです。
・ 原子力発電所の仕組みがよくわかった。圧力に興味を持ちました。