東北研修1日目
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執筆者 山林晃士 西村南音 小川桃花
9月12日から14日にかけて、東北福祉大学の皆さんと一緒に東北研修に行ってきました。
この3日間で過ごした時間は、東北ならではの異文化や自然の豊かさ、東日本大震災の歴史などを肌で感じることができる貴重な時間でした。そして自身の感性を磨くことにも繋がりました。
大川小学校
1日目、最初に訪れたのは大川小学校でした。初めて実際に被災地に訪れ、東日本大震災の残酷さに驚きました。大川小学校は想像していたよりもとても海に近い場所にあり、ここまで近いと、津波発生時、津波の被害を防ぐことの方が難しいと感じました。建物を見ると、なぜこの形を保っていられるのかと思うほどの状態で、いつ崩れてもおかしくないと思いました。さらに体育館などは跡形もなく、建物が残っている部分とそうでない部分の違いはどこにあったのかという疑問が思い浮かびました。また、教室の黒板の前にお花がお供えされており、とても印象的でした。
裏山を上ると、津波到達地点の標識が目に入り、小学校が沈むほどの高さまで波が来ていたことに気づき、津波の恐ろしさを目の当たりにしました。およそ150m程の差で未来ある子供達の運命を変えた事実に、胸が苦しくなりました。また、裏山の道は険しく、小学生児童が登るには急であると感じました。獣道のように道が続いていましたが、夜の場合、灯りもないため足下が見えず、そこに津波の恐怖も加わると考えると、避難訓練や日々の生活での慣れが非常に重要であると再認識しました。大川小学校を訪れ、感じたことを家族や友人達などの周囲の大切な人に共有し、再び同じような被害を発生させないために対策すべきだと強く決意しました。
南三陸町ワイナリー
次に南三陸町ワイナリーに訪れました。
南三陸町ワイナリーの見学では、まず、南三陸町の魅力について佐々木社長から直々にお話を伺いました。海の幸と山の幸の両方に恵まれ、多様な食文化が栄える中、地域の人々以外にも、遠方の人々からも広く愛されるワイナリーだと感じました。
特に印象に残っているのは、熟成方法についてです。熟成には振動が関係していて、海中生物や波など、海の中の様々な震動が熟成を進めるというお話でした。そして美味しいワインを造るだけでなく、志津川湾が近いという地形を活かす海中熟成の方法は、非常に勉強になりました。さらに、ワイン造りで完結するのではなく、ワインを海中から引き上ることを地域のイベントの1つにすることで、地域で一丸となって南三陸町を盛り上げ、再生に繋げていることを学びました。
工場内の見学では、葡萄を潰す作業から、発酵させ、瓶に詰める工程まで、ワインの製造方法について詳しく教えていただきました。工程1つ1つにこだわりが詰まっていて、ワインごとの醸造の過程の違いや、ワインの質を保つための工夫、そして手作業もいとわないことから、ワインに込められている思いを感じ取りました。このような情熱が他のワインとは違う、南三陸町ワイナリーならではのワインのおいしさを生み出しており、世界中で愛されている理由を学ぶことができました。
今回の貴重な体験で得た沢山の学びを、経験に変え、今後、様々な場面で活かしていきたいと思います。