関西大学と堺市の地域連携事業・講演会「堺市の元気なファミリービジネスと事業承継」に参加して

執筆者 亀井ゼミ 中山莉那

10月7日、今年で創業70周年を迎えた堺市の南海グリルで開催された、関西大学と堺市の地域連携事業・講演会「堺市の元気なファミリービジネスと事業承継 ー女性による事業承継に注目してー」に参加してきました。



私たちの社会経済を支えているのは地域社会に根ざした数多くの中小企業です。近年、中小企業の事業承継がうまくいかないことが、大きな社会的リスクとして認識されています。



南海グリルでは、創業者の娘である西浦結香さんが事業を受け継がれて現在社長をお務めです。今回、次の社長候補である西浦さんのお嬢様も参加され、ドイツのカスパリ先生や、経営者の方々による様々なお話が聞けました。



私が事業承継についてお話を聞いたのは今回が初めてでした。実際南海グリルさんへ行ってお話を聞くことができてとても貴重な体験ができたと思います。学校へゲストが来て講演会という形は何度かありました。自分がリアリティを持って直接少人数規模で面と向かって参加できてよかったです。



コロナも家族間だけでなくM&Aによる事業承継に拍車をかけていると聞いて、ここにもコロナが影響を与えているのだと驚きました。不確実な時代とおっしゃっていましたが本当にそうだなと感じました。だからこそ女性が注目されているとのことですが、同時に今まで本当に男性社会だったのだなと感じました。現在、どこでも多様化や平等化が多く掲げられていて、企業も宣伝で女性の活躍が目立っているといったワードを出してるところも多いため勝手に平等化はもう済んでると思っていました。しかし、まだまだ女性がいない業界もあると聞いてこれまで男性社会が続いてきたのだから女性も男性と同じように完全に扱われるようになるにはもっと時間がかかるのだろうなと思い直しました。時代は変わっていると思いますが急激に変わることはできないため、様々なアプローチで対処していかないといけないのだなと思いました。



西浦社長は以前獣医をしていて、会社へ自ら入ったと仰っていました。会社に入るというリスクをとったと考えられますが、同時に獣医をやめるというリスクをとっていて、どうして好きでしていた獣医をきっぱりやめることができたのだろうと疑問に思いました。満足したのかもしれませんが私ならなんとなく未練が残ってしまいそうです。会社に入ると決断されたときは相当固い意思があったのだろうなと思いました。会長とよくケンカをして社員に気をつかわせてしまっているとの話もありました。



子が望んで自ら会社に入りたいと言える雰囲気を作らないと会社は上手くいかないと聞いて素敵な考えだなと思いました。自らの意思で継がないかぎり、してあげている感がどうしても捨てきれない、任せきれないという問題も起こってくると気付きました。事業承継についてあまり考えたことがありませんでしたが、信頼できる家族間だからこその問題や悩みが思った以上に存在していてとても貴重なお話を聞くことができて良かったと改めて感じました。

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