関西大学と堺市の地域連携事業・講演会で「ファミリービジネスと事業承継」について考える

執筆者 亀井ゼミ 光平葉南



10月7日、堺市の南海グリル・東店で開催された、関西大学と堺市の地域連携事業・講演会「堺市の元気なファミリービジネスと事業承継 ー女性による事業承継に注目してー」に参加しました。



今回、ファミリービジネスについて学んだ。2020年からM&Aが普及し、銀行・コンサルが中小企業の間に入るということが急速に進んだ。これまで会社を継ぐというのは、長男というイメージがあった。しかし父から娘に継いだ方が、父にとって娘は、いつまでも可愛い娘であるため、息子の場合よりも良い関係が築けるということを知った。女性の事業継承は、結婚すると名字が変わるということもあって、あまり浸透してこなかったが、最近では「息子に」という考え方から「子に」という考え方に変わってきていることを学んだ。また女性ならではの感性、気遣い・心遣いは経営をしていく上で重要となる。そして女性が勤めやすい雰囲気を会社の上の立場の人がつくることで、産休や育休を取っても辞める人が少なくなることにつながると感じた。そのため最近では「父-娘」の関係から「母-娘」の関係へと変わってきている。



ドイツのファミリービジネスで女性はたった8.3%であり、コロナの影響も相まって過去2年増加がないことが報告されている。女性は、経営者の興味がなく、リスクに危機感がない、父の跡を継ぐというよりも一から新たなビジネスを始めたいという人が多いため、数が少ない。しかし最後にお話していた「女性社長の将来は明るい」というカスパリ氏の言葉に安心した。



西浦結香社長は、会長と13年反発してやっと創業者の建物や、一からつくりあげてきたものの凄さ、商いの仕方が分かったとおっしゃっていたのがとても印象的だった。元々は獣医をしていた西浦社長であったが、店を継ぐということになり、結局は同じ血(DNA)が流れていると実感したとお話されていた。そして会長と社長の親子けんかに巻き込まれる社員の大変さに社長自らが気づき、自分が変わらなければならないと考えるようになったということには、13年間の反発があってのことであると感じた。経営者は孤独で、話を聞いているだけでも苦労の連続であると感じた。さらに、最後にお話されていた社長をいつ辞めるのかについては、自分の中でしっかりと考えておくことに加えて、社員にも知ってもらい、環境を整えた上で社長の座を退くことが必要なのだと感じた。



講演会の後のディナーでは、今までに食べたことがないような高級なお肉を目の前の鉄板の上で焼いてもらった。歯が必要ないくらいの柔らかさでとても美味しかった。ご飯の後には企業の代表取締役の方々ともお話をすることができ、大変貴重な経験となった。

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