宮城フィールドワーク

執筆者:杉山凌成

先日は、宮城県まで2泊3日、
近藤ゼミのフィールドワークに行ってきました。

行きの新幹線では集中豪雨による新幹線の停電があり、
かなりの時間止まりましたが、なんとか無事、
宮城県に着くことができ、様々な場所で
震災についての学びを深めることができました。

今回は特に印象に残った
門脇小学校について書こうと思います。

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門脇小学校の外観を見て、
印象的だったのは校舎の壁面の剥がれ方です。
全体的に塗装が剥がれていたのですが、
特に酷いのが右側でした。

最初は津波によってこのような状態になったのかと思ったのですが、
津波が小学校に到達したときの高さは1.8mだったので、
説明がつかなかったのです。

ではなぜ校舎が満遍なくボロボロになっているのかと言うと、
津波火災によるものでした。

校舎の中に震災当時のビデオを見ることができるコーナーがありまして、
そこには津波火災の恐ろしさが映し出されていました。
津波が来ると、まず、校舎の外に逃げることが難しくなります。
そこに津波による火災で校舎に燃え移ります。
時間が経てば経つほど燃え広がるため、逃げ場も無くなる。
校内に避難していた人たちは教壇をはしご代わりとし、
裏山に避難することに成功したため、生き残ることができました。
極寒の中で、津波、火災の両方に襲われる怖さを
身をもって知ることができました。

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教室内も木材は全て焼けて、
椅子や建物の骨組みや、熱によって溶けた黒板だけが教室に残り、
荒れ果てた姿となっていました。

ボロボロになった布切れのような写真は
その黒板です。

津波や津波火災の被害も大きなものでしたが、
地震の揺れの怖さに関しても、児童・生徒の手によって
綴られていました。

地震の縦揺れによって
スコップが飛んでいくほどの地震は
アニメでしか見たことも聞いたこともなく、
まともに立っていられないことが分かります。
地震の怖いところは揺れによって飛んでくる物であり、
この児童生徒の文章を読んで
家具の固定化は重要だと感じました。

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最も心を動かされたのは
現地の人が残した言葉でした。
この短い文章から、心が痛む光景が
目の前に広がっていたことを感じ取ることができます。

そして、津波にのまれると
その体もぼろぼろになり、
遺族の方にもショックを与えると想像がつきました。

そのようなことは
アニメや漫画の世界のようなできごとに思われていましたが、
それは現実に起こってしまいました。
本当の恐怖は、体験した人にしか分からないですが、
被害を受けた人の辛さ、悲しみは十分伝わってきます。

この震災を忘れてはならないし、
なにより活かさなければなりません。
津波到達まで時間があるのであれば、
高さのある山まで避難し、戻るという行為は
決して行ってはならないと心に強く刻みました。

杉山凌成