武士にみる安全の要

こんにちは、ゼミ長の小林です。菅原ゼミのゼミ生が、学生の持つ思いを500字程度でお届けするゼミブログ企画、「ゼミ生の声」をこの度スタートさせることになりました。

第一期のテーマは『安全と私』、社会安全学部生が持つ「安全観」をお届けしたいと思います。

私にとって安全は、「危険を自身が管理できること」です。

私は幼少期から居合道という武道を嗜んでいます。素手の武道とは違い、居合道は日本刀もしくは模擬刀を使って演武や稽古を行う武道です。私にとっては、自分の手の届く範囲に日本刀という武器がある環境が当たり前で、ケガは当然、昔なら「死」の危険性もある「日本刀」を自在に操る技術を学んでいます。

では、危険物である「日本刀」を扱う人には、何が求められるのでしょうか。

歴史を見てみましょう。まだ日本刀が現役であった江戸時代、武士階級の法として、武家諸法度がありました。その元和令に「文武弓馬ノ道、専ラ相嗜ムヘキ事。(後に文武忠孝へと改訂)」とあります。武士が国を治めるためにそれなりの教養、判断力が必要で、武芸と共に学問に励むことを幕府は推奨していました。自分が強いだけでは誠の武士にはなれないのです。

武士にとっての危険とは、自らの死の他にも、自身の家(家系)が無くなる、国が攻められる、領民の武力蜂起等、自分の強さで対処できる問題だけではありません。こうした危険を無くすためには、状況を管理するだけの知恵や経験こそ必要です。

私はここに真の「安全」を見出し、自らの危険をマネジメントすることが、安全への第一歩に繋がるのではないかと考えています。

「了」(662字)

次回の『安全と私』は中田がお届けします。

写真2