尼崎の「祈りの杜」を訪ねました

安部ゼミ3回生の辻知里と森武日和です。
12月10日に福知山線脱線事故現場にある「祈りの杜」の見学に行ってきました。

祈りの杜は、JR尼崎駅から北西方向に、徒歩で約20分の所にあります。
ここは、福知山線事故の慰霊・鎮魂の場として、昨年9月に整備されました。事故の風化を防ぐために痕跡を保存し、いのちの大切さを伝え続けていく場として、また、JR西日本が安全を誓い続けていく場として一般公開されています。

脱線した電車が激突したマンションは、もともと9階建てでしたが、現在は4階建てに改修されていました。日差しが当たり、雨を防ぐように屋根が設計されていました。マンション付近の地面やブロック塀には、救助・救出のために使われた重機の跡がそのまま残されており、事故当時の姿をそのままの状態に保ち、風化させないでおこうというJR西日本の意志が強く伝わってきました。


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マンションはドーム型の構造物で覆われているのですが、そばを通過する電車の運転士にはマンションが見えるよう外壁のガラスは特別に仕様されていました。事故現場を意識する作りが徹底されていると感じました。

最後に施設内の資料室を見学しました。
福知山線事故の原因や反省などが詳細に記されていました。当時の救助の様子の写真から、事故の悲惨さがひしひしと伝わってきました。


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事故が発生したとき、並行する下り線に特急の北近畿号が接近していましたが、近隣の住民が踏切の非常ボタンを押したことで、同列車は緊急停止し、二重衝突は免れました。非常ボタンが押されていなければ、さらにどれだけの人が被害に遭っていたかを考えると恐ろしくなりました。