被災の街を歩く ―阪神・淡路大震災から23年目の神戸市長田区のフィールドワークより ―セクション1

菅ゼミでは、災害後の救援活動や、復興まちづくり活動について、被災地での現地調査(フィールドワーク・以下、FW)を通じて、その実態を把握し、被害を軽減・拡大したり、復興を促進・阻害する要因について研究を行っています。

2018年6月6日、23年前の阪神・淡路大震災で、大きな被害を出した神戸市長田区をフィールドワークしてきました。この日は、最初に神戸市長田区役所の「震災資料室」を訪問した後、神戸市内で最も復興まちづくりに成功したと言われている「野田北部まちづくり協議会」を訪問してきたので、レポートします。

(担当:宮都成和・山上義之・藤森海斗)


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 まず、長田区役所震災資料室では、資料室の開設と運営に携わってきた元職員で、退職後も研究員として関わっておられる清水誠一さんに資料室を案内してもらいながら、震災前後の長田区の変化や原資料を使った災害研究についてお話を伺いました。

震災前、清水さんは収税課で仕事をしていたため、長田区の建物や土地のことを詳しく把握していました。そのため震災当時にはどこで火災が起きたかがすぐわかり、区役所の災害対応の役にたったそうです。その後、資料室を見学させてもらいました。そこには手書きの火災マップ[写真1]や当時焼け残ったガラスや小銭[写真2]など、普段は見ることが出来ない貴重な資料が展示されていました。

火災マップ[写真1]は蓮池小学校地区を中心とした地図であり、区役所で作成したため個人情報が利用できた他では見ることのできない資料でした。

[写真1]蓮池小学校地域周辺の火災マップ

[写真2]焼け残ったガラスとコイン
 


 

(文責:山上義之)