卒業研究発表会

水災害研究室(以下、水研)4回生の外村です。2月16日、関西大学高槻ミューズキャンパスにて2017年度卒業研究発表会が開かれました。学部4回生がゼミ配属後の2年間の研究の集大成を教授の方々の前で披露する場です。

水研からは私外村を含め、兼重くん、川崎くん、菊輪さん、工藤くん、小池さん、吉岡くんの7名が発表致しました。

緊張感はありましたがこれまでのゼミ内での研鑽や自主リハーサルの甲斐もあり皆落ち着いて発表に臨んでいる印象でした。

第1セクションは工藤くんと吉岡くんの発表が行われました。

工藤くんの発表内容は、【津波堆積物形成に関する水理実験】というものでした。過去の津波から今後起こりうる津波を予測することを目的とし、その鍵となる津波堆積物形成のメカニズムに迫るべく混合砂を用いた堆積に関する水理実験を行い、結果と考察を行っていました。

吉岡くんの発表内容は、【振動柱形状変化に関する水理実験】というものでした。サンゴの白化という環境問題へのアプローチとして、微弱電流を用いたサンゴ再生促進技術における発電機に使用する振動柱の形状や材質の違いが発電性能にどう影響するのか、どういったものがより良いのか、水理実験を行い検証しておりました。

第2セクションでは私外村と小池さんの発表でした。

私は、【ピエゾフィルムを用いた微弱電流によるサンゴ再生促進技術に関する実験】という題で発表致しました。

微弱電流を用いたサンゴ再生促進技術に着目し、ピエゾフィルムを用いた小型発電機の開発を行い、発電性能を検証するべく行った水理実験の結果を発表させて頂きました。

小池さんの発表内容は、【授業と家庭学習で構成された津波防災教育プログラムの開発】というものでした。

現在のリアリティのない防災教育をより強固なものにし地震や津波での被害を減らすことを目的とし、AR技術を用いた教材を開発し、それを用いた津波防災教育プログラムの提案を行っていました。

第3セクションは、水研メンバーは該当しなかった為、他ゼミの方々の発表を聞きに行ったのですが、皆様々なアプローチで社会安全という分野に貢献していると感じられ非常に興味深い時間となりました。

そして最後のセクションである第4セクションでは、兼重くん、川崎くん、菊輪さんの発表でした。

兼重くんの発表内容は、【カウンターパート方式の支援方式の課題】というものでした。東日本大震災において用いられたカウンターパート方式の支援の課題を指摘し、議論の活性化の為の提案を行うことで来たる大規模災害に備えることを目的としています。

川崎くんの発表内容は、【南海トラフにおける小中規模津波による養殖漁業の被害予測】というものでした。

東日本大震災において養殖業に甚大な被害が出た教訓から、具体的かつ実現可能な対策の基準を提案すべく、養殖筏に被害が出る最小マグニチュードをシミュレーションによって計算し、考察を行っていました。

菊輪さんの発表内容は、【画像解析によるサンゴ成長評価方法の提案】というものでした。

サンゴの再生促進に関して様々な研究がなされている中、未だ定量化されていないサンゴの成長率の問題に着目し、画像解析によってその定量化を図るという内容で、異なる2種類のソフトウェアを用いた解析の結果を考察していました。

発表の後には各部屋に常駐している教授の方々との質疑応答がありました。中には厳しい質問や意見が飛ぶ場面も見受けられましたが、皆落ち着いて自分の意図を伝えており、こういった意見も後にまとめ上げられる本紙の糧になることと思われます。

全ての発表が終わった後、ミューズホールにて講評と優秀発表者の表彰がありました。優秀発表者には、各部屋3名という狭き門ながら水研から川崎くんと小池さんが選出されました。

講評で仰っている方もいらっしゃいましが、今回の卒業研究発表会における卒業論文という2年間のまとめを6分に要約しプレゼンするという経験はこれから社会に出て様々な経験をする上で非常に糧になる経験であったと私自身感じました。また、行き詰まりを感じ辛くなることもなかったわけではない中ここまでやってこられたという事実も、今後の挑戦への自信になると思います。

そして何より一緒に頑張ってきた友人、支えてくれた先輩方や後輩の皆、指導してくださった先生に改めて感謝致します。ありがとうございました。そして4回生の皆様お疲れ様でした。そして3回生にはこの日に掴んだ雰囲気を持って来年頑張ってほしいなと思います。

最後に高橋先生、川崎くん、小池さんで一枚!