東北調査

執筆担当:神橋拓真(越山ゼミ)

こんにちは、3回生の神橋拓真です。

916日から18日にかけて岩手県と宮城県に訪問し、東日本大震災での津波や復興の現状について学びました。



1日目は岩手県の宮古市田老地区と大槌町に訪問しました。

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最初に訪れた田老では、初めて見る大きさの防潮堤に驚かされるとともに、ここまで大きなものを作らなければ津波を防ぐことはできないのかと津波災害の恐ろしさを感じました。
また、当時の様子について語り部である宮古観光文化交流協会の佐々木さんが当時を思い出しながら語ってくださり、災害を伝えることの大切さや偏った考えを持つことの危険性を学びました。

次に訪れた大槌町では、街歩きのガイドさんととも旧市役所跡や町唯一ともいえる高台を訪れ、その後クロスロードによるワークショップを行いました。
街歩きでは高齢者や体の不自由な人の避難がいかに大変なのかを知ることができ、ワークショップでは同じ状況に立たされた身であっても人それぞれの考え方の違いがあるということを共有し、自分では気づけなかった新しい視点を持つことができました。



2日目は釜石市から三陸鉄道震災学習列車に乗って大船渡市へ、それから陸前高田市を訪問しました。

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釜石市の命をつなぐ未来館では震災での出来事や教訓を学びつつ、建物周辺から海の方向が分からないため、どこから津波が来るのかわからないという恐怖を感じたことを覚えています。
その後乗った三陸鉄道震災学習列車では、列車で移動し、きれいな景色や雑談を踏まえつつ、左右の集落を見ながら当時の様子や今はどうなっているのか、三陸鉄道がどの様な役割を果たしたのかなどを語ってくださりました。なかでも震災前の写真と震災後の実際の集落を比較した時に、ある場所を境に家がきれいさっぱりなくなっていたりしており、津波の怖さを改めて実感しました。

大船渡市で行った防災アドベンチャープログラムでは、ICTツールを用いた疑似避難ゲームである「あの日」を体験しました。「あの日」は町のいたるところに散りばめられた箱のQRコードを読み取り、震災当時の教訓や記憶を集め、疑似体験しながら高台への避難を目指すというものでした。私自身今まで災害に関連した遊びで面白いものはないと感じていたのですが、「あの日」はその固定観念を覆すほど面白く、楽しみながら実践することができたとともに、防災に関連した遊びの新しい視点の発見という意味でも学びになりました。



2日目最後は陸前高田市で東日本大震災津波復興記念公園を散策し、東日本大震災津波伝承館の館内を見回った後に長洞元気村で震災から復興までの道のりについて学びました。

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東日本大震災津波復興記念公園では十数メートルもの高さの津波から生き残った奇跡の一本松に感動しつつも、私が一番印象に残ったのは震災を学ぼうとする人の多さでした。特に伝承館の中は常に館内を見て回る人でいっぱいで、津波を経験したからこそ津波のことやその教訓を知ろうとする姿がたくましく感じました。
その後訪れた長洞元気村では小さい集落がどの様に復興を遂げたのかを学びました。小さい集落ながら市に直接意見を何度も訴える姿勢に驚かされながらも、小さな集落だからこそできた人と人とのつながりや協力が今の生き生きとした長洞元気村につながっているのだなと感じさせられました。



3日目は宮城県気仙沼市を訪問しました。

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気仙沼市東日本大震災遺構・伝承館では館内で東日本大震災に関連した映像や資料を見て回ったのち、災害当時のままの姿を残した学校の構内を探索しました。
それは今まで安全だと思っていた学校も津波の前では無力であるということを実感させられるものでした。津波はただのがれきではなく車でさえもたやすく運んでくることを自分の目で見て改めて実感しました。



この3日間を通して今まで聞くことしかできなかったものを実際に見て触れて、新しい価値観や津波、復興に関する考え方を持つことができる貴重な経験になりました。3日間の東北調査を支えてくだった皆様、本当にありがとうございました。