アドリブと取材

執筆者:クニチカ ワタル

 自分はアドリブが苦手な人間である。演劇経験者ではあるが、舞台に上がるときには事前にアドリブの内容、正確にはセリフも決めておくほどだ。それは最早アドリブではないのでは?と思う方もいるだろうが、台本では存在しないセリフなので立派なアドリブなのだと自分は思っている。

 さて、要するに自分は人前で話すにあたって、しっかりと準備をするタイプの人間なのだが、そもそも日常生活において即興が必要になる場面というのは事前にわかるものではないし、準備できないからこその即興なのだ。それを失念していたがゆえに「取材」というアドリブを挟むことに苦心することになったのかもしれない。

 港製機工業株式会社。それが自分の取材させていただいた会社である。大阪府高槻市にある会社で、金属加工を中心としたモノづくりを展開しており、その技術力の賜物である船舶用ラッシング資材、つまり海上コンテナなどを固定する器具は世界のいたるところで活躍している。
 さらに、港製機はスーパーフェンスという従来のブロック塀に代わる、安全性の高いフェンスの開発にも力を入れており、自分が取材するきっかけにもなった。
 さて、自分はその港製機さんに取材をすることになったことはすでに述べたが、実のところ自分は当日になるまで港製機さんにインタビューをすることになるとは思っていなかった。なので当然台本もない。しかし、当日スーパーフェンスの説明を受ける中で、インタビューを突然することになり。インタビュアーとして、自分が抜擢されたのだ。ゼミとしてのインタビューを任されることに誇らしさもあったが、流石に不安が勝った。
 結局、インタビューは無事に終えることができたがそれが客観的に正視に耐えるものだったかはわからない。ともかく、今後のことを考えてインタビューの練習でもしてみようか。

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