水族館で観光と防災⁈

執筆者:乗石愛子(奥村ゼミ3回生),前川未有(奥村ゼミ3回生)

「ギョギョタウンまちなか水族館」は淡路島最南端に位置する南あわじ市福良にあります。市街地にある古民家を利用した水族館で、福良のまちを散歩しているとポツリと現れます。豊かな福良湾に生息するさまざまな魚が見られます。

この取り組みの中心人物の一人、河野さんは、海岸付近に集中している観光客をまちの中に呼び込み、福良をもっと元気にしたいという思いと福良をもっと津波に強いまちにしたいという思いを持っておられます。8月26日、コロナ感染防止に細心の注意を払いつつ、私たちは河野さんにお話を伺ってきました。

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ギョギョタウンまちなか水族館に対する思いを語る河野さん

「魚に関してはまったくの初心者」だとおっしゃる河野さんが水族館を始められたのは、福良のまちに以前のような活気を取り戻したいという熱い思いからでした。河野さんの思いに賛同する4人の住民でこのプロジェクトが動き出したのは3年前のことです。

「ボランティアで水族館なんてできるの?」と思う方もいるかもしれません。しかし、行政・住民・漁師など様々な方からの協力によってこの水族館は支えられています。例えば、水族館の水槽は知り合いから譲り受けたもので、魚は漁師や住民の方から頂いたものです。また、玄関にあるお花に近所の方が水やりをしてくれるなど、地域に愛された水族館となっています。さらに、勉強熱心な河野さんは費用をできるだけ抑えるために手作りのろ過装置への水の循環に灯油ポンプを使用するなど、一つひとつのアイデアも私たちの興味を引くものばかりでした。

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ところせましと並ぶ水槽

水族館を始めて1年目2年目の頃は、水の循環や餌、魚の病気など飼育のことだけで試行錯誤の日々でした。3年目の現在、飼育に関してはようやく軌道に乗り安定してきました。河野さんの次の目標は、この小さなまちなか水族館を3つに増やすことで、町の中まで観光客を呼び込み、まちの活性化に繋げることだと熱く語ってくださいました。さらに、水族館のようなワクワクするようなお店、商店街での縁日、線香花火を用いた花火大会、シャッターアートなどたくさんのアイデアをお持ちで、そのどれもが興味をひくものでした。

初めてのフィールドワークで緊張もありましたが、初対面の私たちにも優しく温かい笑顔で接してくださり、たくさんのお話を伺うことができてとても充実したものとなりました!これから、水族館を通して福良の観光と防災の両立について学んでいきたいと思います!