NHK広島放送局の佐藤ディレクターによる講義

執筆担当:勝木結衣(近藤ゼミ)

11月14日 
本日の3回生のゼミの時間帯は、
素敵なゲストの方が来て、
熱い、そして深い講義をしてくださいました!

「NHK広島放送局の佐藤ディレクター」です!
お忙しい中、ありがとうございました!!

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【佐藤ディレクター】

佐藤さんは、NHK大阪局で
近藤先生と一緒に働いていた時期があったそうです。
また、8月に福島訪問した際にお会いした
「花泉酒造」の染谷さんともお知り合いなのだそうです。
ひとの縁がつながりますね。

講義の内容は、
災害報道の難しさや、今後の課題についてです。
災害時にNHKでは、放送に直接には関係しない職員も、
物資の補給や寝床の確保など、全職員が一丸となって
報道に携わっていると知って驚きました。

例えば...
記者やアナウンサー、カメラマン→直接現場に行く
ディレクター→中継の準備をする
総務職員→宿泊場所、職員に支給するお弁当などの確保
営業職員→テレビで逆L字と言われるライフライン情報の入力

などなど、
災害時に私たちが知りたい情報を
テレビですぐに確認することができるのは、
このように確立された災害対応の仕組みと
全職員さんのおかげであると感じました。

数々の災害と向き合って報道されてきた佐藤さんですが、
特に印象に残っているのが、2011年の「紀伊半島豪雨」だそうです。

そもそもは台風中継のために
田辺市で1泊する予定でしたが、
大規模な水害が発生したことによって、
急遽2週間滞在することになりました。
そもそも1泊分の用意しか持って行ってなかったため、
着替えに苦労したそうです。
またATMも水害によって使えなくなってしまったため、
現場は現金しか使えない状態になっていました。
ホテルに宿泊するにも、モノを買うにも現金が必要となり、
とても苦労されたとおっしゃっていました。

今回の講義で私が一番印象に残っているのが、
「西日本豪雨におけるアンケートで浮き彫りになった課題」です。
私は、災害が発生した際、ネットニュースや、
テレビ、SNSをすぐに確認するようにしています。
ですが、世論調査では、災害時に避難のきっかけとするものは、
「周辺の環境の悪化」が33.5%と圧倒的に高く、
「テレビやラジオ」を参考にする人は、
わずか4.5%という結果でした。

しかし、この数字は一概に低いとは言えません。
なぜなら、「近所の人」や「家族・親族」の呼びかけで
避難した人が17%に上り、この方々は
テレビやラジオを参考に呼びかけた可能性も
あると考えられるからです。

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【考えさせられた調査結果】


実際に、NHKのアナウンサーの
災害時の避難の呼びかけ方も年々変わってきており、
最近では、「家族や知り合いにも伝えて下さい」と
呼びかけているそうです。

災害報道も時代によって
進化・深化してきていると感じました。

今後における課題としては、
「メディアスクラム」といって、
各メディアが同じ人に何度も同じ質問をしてしまうことが
あげられます。

報道の現場では、改善を模索されていることを知りました。
しかし、それでも難しい。
こうした点は、メディアの方だけでなく
市民も含めてみんなで考えていく必要があると思います。

災害時の報道は、現地の方だけでなく、
それを見ている視聴者など様々な人への配慮が必要です。
現地の方が欲している情報と
外部の人がほしい情報など、
人によって必要としている情報は違います。
しかし報道する際には、優先順位をつけなければいけません。
マニュアルを定めていても、
災害の状況は毎回違います。
災害報道における永遠の難しい課題だと感じました。

近藤ゼミには、
広島出身の長谷川さんもいるので、
ぜひ広島放送局とコラボできればと思いました。

佐藤さん、お忙しい中、足を運んでいただき、
本当にありがとうございました!

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【佐藤PD、大学時代は、岩手県田野畑村で、、、!】

勝木結衣