御巣鷹山へ慰霊登山に行きました

安部ゼミ4回生の石川 慶祐です。
9月6日に、4回生・院生で、今年も御巣鷹山へ慰霊登山に行きました。

御巣鷹山は群馬県の上野村にあり、長野県と埼玉県の県境近くに位置しています。1985年8月12日に、乗客・乗員合わせて524名が乗った日本航空のジャンボジェット機が、この場所に墜落しました。

この慰霊登山には私たちの他に、この事故で小学校3年生だった次男の健ちゃんをなくされた美谷島邦子さんや、交換教授として本学に滞在中の頼勇成先生(国立台湾大学)も同行されました。

途中、登山口に向かうバスの中で美谷島さんに、健ちゃんのことや事故当時の御巣鷹山の様子を詳しくお話しいただきました。また、登山道や尾根の上でも美谷島さんから詳しい説明がありました。

この事故で亡くなった方が発見された場所であることを示す銘標や墓標が、尾根全体に建っていました。この事故のすさまじさと遺族の方々の無念の思いが伝わってきました。
その他にも、ジャンボ機が墜落する前に右の翼をぶつけた跡であるU字溝や事故後の救護活動で遺体の発見場所を表すときの起点にしたエックス岩など、事故の爪痕が数多く残っていました。一人ひとりの命の重みを実感するとともに、一瞬にして甚大な被害が出る重大事故の恐ろしさを改めて感じることができました。

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*登山を始めて1時間ほどで招魂之碑がある場所に到着しました。

健ちゃんをはじめこの事故で亡くなられた520名の魂を慰めるために建てられたものです。みんなで追悼し、「空の安全」を願って鐘を鳴らしました。

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*健ちゃんが大好きだったシャボン玉をみんなで飛ばしました。

健ちゃんをはじめこの事故で亡くなった方々に届いてほしいという思いでシャボン玉を飛ばしました。御巣鷹山が私たちのことをあたたかく見守っていてくれているような気がしました。

下山後は、慰霊の園に向かい、追悼をしました。事故で犠牲になった方を慰霊するための場所です。そして、隣接する展示棟を見学しました。展示棟には、事故の概要を紹介した展示物や事故発生当時の新聞記事、事故現場で発見された実物の遺品などが展示してありました。

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*美谷島さんをはさんでの集合写真


この事故を決して忘れず、多くの人に語り継いでいくことは、命や安全を支えていくことに必ず役立つと思いました。私も、今回の登山を通じて経験したことや感じたことを多くの人に伝えていきたいと思います。また、社会人になっても「安全」に対する意識を常に持ち続け、安全・安心な社会の構築に貢献していきたいと思っています。