「足湯」ボランティア~セクション2~

子どもたちとの食事の後、私たちは、施設内のお風呂場をお借りして、足湯の準備に取り掛かりました。

「足湯」の活動は、まず「たらい」にお湯を張り、被災者に足を浸してリラックスしもらいます。そして足を浸している間、手をゆっくりもんでいきます。これは23年前、ボランティアとして神戸に駆けつけた東洋医学を学んでいる人たちが考案した方法で、特別な技術は必要なく、誰でもできる簡単な手もみです。イラスト入りの「手引き」もあります。

東北大のメンバーは、復興住宅でやり慣れているようでしたが、神戸大のメンバーは、最近、足湯ボランティアの活動から遠ざかっていたようで、今回初めてという人もいました。足湯ボランティア初めての社安の学生は、神戸大生とともに、手引書を見ながら、本番直前、東北大生にご指導いただきました。関西で生まれた足湯が、東北に受け継がれ、再び関西に戻ってきたことになります。

そしていよいよ本番です。猛暑の中、近所から来て下さった方、施設に入所している方、合計20人くらいの方々が足湯でリラックスして行かれました。一度に3人くらいしか対応できないので、待っていただく方もいましたが、その間に、陶器市を見ていただきました。「食器が壊れてしまって...」とたくさん買って行かれる方もいました。

「足湯」では、手をもんでいる間、被災者と交わすおしゃべりも魅力の一つです。

被災者は、リラックスしているせいか、初対面にも拘わらず、色々なお話しをしてくれます。そんな被災者の「つぶやき」の中には、身近な人には言いにくい本音が含まれていることもあるようです。そこで、足湯ボランティアたちは、被災者が話してくれたことを「つぶやきノート」に記録し、「今、被災者はどんな気持なのか」「何を考えているのか」「どんな困りごとを抱えているのか」をメンバーで共有しながら、活動の方針を考える材料にもしているそうです。

(写真:「足湯ボランティア」をしながら「つぶやき」に耳を傾ける)

 

偶然、様子を見に立ち寄って下さった高槻市社協の職員さんにも足湯を体験してもらいました。


 

連日の災害VCの運営に、随分お疲れのようでしたが、足湯をしてもらった職員の方は「これはいいですね!できたら明日、災害VCで、仕事が終わった社協職員にも足湯をしてもらえない?」というリクエストまでいただきました。


「支える人を支える」ことを活動目的に掲げている東北大のメンバーは、「それは是非!」ということになり、翌日の足湯の会場もその場で決まりました。