高野ゼミとの合同セッション(京アニ事件の匿名報道について)

執筆担当: 今井 海斗

11月21日の4限目に、
近藤ゼミと高野ゼミと合同で
京都アニメーションの放火事件について、
実名報道をおこなうべきだったのかどうかについて
事前学習した内容をプレゼンテーションし合いました。

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【合同セッションの様子】


そして、TBSのコンプライアンス室から
お越しになった藤原室長さんから、
プレゼンに対して意見をもらいました。

高野ゼミは主に法律の観点から
実名報道の是非を分析し、
近藤ゼミはゼミ内で実施した「クロスロード」という
意見分布調査の結果をひもときました。

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【クロスロードによる意見分布の分析】


近藤ゼミ内では、
警察、メディア、被害者本人、遺族の4つの立場に分かれ
それぞれ意見を出し合っていました。
実際によく考えてみると、立場によって実名・匿名の考え方に
差があるとはいえ、考え方の枠組み(理由や根拠)には
共通点も多くありました。

世間では、京アニ事件の実名報道の是非に関して
賛否両論、意見が分かれ、ネット上には様々な考えが
渦巻いていますが、そうした考え方は分散・拡散したままで
なかなか建設的な議論をおこなうステージには
進んでいません。

実際に、実名で報道するという決断をしたTBSの藤原さんは、
SNSやインターネットで事実ではないことが出回り、
真実が届かなくなることを避けるため、
報道機関は責任を持って
より正確に、より迅速に、より多くの人に
真実を伝えることが重要だとおっしゃっていました。

過去にも御嶽山の噴火災害や、
アルジェリアの人質事件などで
実名報道について議論を呼んできましたが
今回の京アニ事件は、実名報道に対して
どうアプローチしていけばよいのかについて考える
大きな分岐点になったと考えています。

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【丹念にコメントをくださった藤原室長】


藤原さんは、京アニ事件に対して
「TBSは実名報道をしたが、
系列局のMBSは匿名で報道していた」と教えてくれました。
僕はこれが報道機関の本来あるべき姿だと感じました。
周りに合わせたり、上からの指示で報道内容を決めたりするのではなく、
会社自体が責任を持って報道することが大切だと考えています。

メディアのあるべき姿に関して、
これからも議論を深めていきたいと思います。
藤原室長さま、お忙しいなかご来校いただきまして
ありがとうございました!


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今井海斗