企業、家計、政府が経済活動を行うために必要なのは「お金」です。ファイナンス専修では、こうした資金の調達や運用、種々の金融機関からなる金融制度や、為替・証券市場などのグローバルな金融市場について、どのような仕組みと機能を有しており、どのような影響があるのか、ビジネスや経済におけるお金の流れを学びます。
ファイナンスを学ぶことによって、企業や経済にいま何が起こっているのかをマネーの側面で捉え、課題はなにか、どうすればよいのかをファイナンスの視点から考えることができるようになります。こうしたファイナンスの視点は銀行、証券、保険などの金融機関はもちろん、企業経営、資産形成、さらにはSDGsなどの社会的目標の達成においても求められます。ファイナンス専修では、様々な分野でファイナンスの視点から能力を発揮できる人材を育成しています。
税の仕組みを学ぶことで、経済全体に対する理解が深まった。 日本経済について広い視点から理解したいと思い、ファイナンス専修を選びました。現在は財政学の歴史から租税の仕組みや財政政策まで、租税について幅広く学んでいます。以前は経済に関するニュースを見ても分からないので関心をもたなかったのですが、この専修で学ぶようになってからは日本経済の現状を知りたいと思い、自分から情報を集めるように。日常生活の中で自分が少しずつ成長していると感じるようになりました。
お金の動きを学び、資産運用に興味がわきました。 株の値動きや国際金融について学んでいます。例えば、誰が国債を買っているのか、円高円安はなぜ起きるのかなど、日常生活にもつながる市場のメカニズムを知ることができました。また証券について学ぶ授業では、興味がある企業を調べ、その株価が現在の株式市場において見合った数値なのかをデータを用いて検証。この経験から、将来自分で資産運用をしたいと考えるきっかけになりました。
女性の活躍推進といった社会の動きが、企業の株価変動に与える影響を分析・発表し、論理力が養われました。ライフプランに役立つ教養が身に付くのも、この専修の魅力。個人投資で今後に備える現代に欠かせない証券の知識や、保険や税金など生活と密接に関わる知識も学べます。保険への興味が高じて取得したFPの資格※を生かし、将来は保険商品の開発に携わりたいと考えています。
※ファイナンシャル・プランナー(AFP+2級FP技能士)
ゼミのディベート大会では、イギリスのEU離脱をテーマに議論を交わしました。日本への影響は小さいと想 像していましたが、イギリス経済の良し悪しがダイレクトに日本経済にも伝わるということが分かりました。資金取引を行う際は、世界全体に目を向け、各国のさまざまな動きを考慮する必要があるのです。金融という経済の基盤を追究することで、社会への関心度も高まります。
私は、「租税」に一番関心があります。税金は国家活動を支える財源ですが、個人と法人とで納めるルールが異なり、国によって制度もさまざまです。軽減税率を導入しているイギリスでは、その商品が適用対象になるかならないかの線引きをめぐって裁判が行われており、人ごとではないと感じます。ファイナンス専修で得た税制や資金調達に関する知識は、将来社会で必ず役に立つはずです。
企業はビジネスを行うために必要な資金を様々な方法で集めています。その調達した資金を運用し増やすことができれば、さらに多くのビジネスが可能となります。また、資金を集め増やすのは企業だけではありません。国や地方などの政府は、税や債権の発行により資金を調達しています。皆さんの中には株式投資で資産を増やそうと考えている人もいるでしょう。保険に加入し将来のリスクに備えることもできます。このように資金の調達や運用は私たちの生活に身近なところで行われる一方、金融市場は国を超えてグローバルに展開しています。FinTechの発達が世界中の金融市場へのアクセスをより速く簡便にし、キャッシュレスや仮想通貨など、お金の形も変化しています。こうした中で、資金をどう集めどう増やすのか、そしてそれらにより私たちの生活やビジネス、経済がどう変化するのかを考えるのがファイナンスです。ビジネスにおいても人生においても必ず役に立つファイナンスの視点を、ファイナンス専修で学びましょう。