関西大学商学部は「品格ある柔軟なビジネスリーダーの育成」を教育理念としています。特に、今後のビジネスシーンで活躍するためには、「英語」と「会計」の知識とスキルが必須になるため、この2つを着実に身につけるためのカリキュラムを用意しています。
まずは商学の基本的な知識をしっかり修得した上で、分野別の5つの専修から1つを選択。専門分野を集中的に学べる環境のもとで、プロフェッショナルなビジネスリーダーを育成します。
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まず、大学の「科目」と「単位」について説明しましょう。
関西大学商学部には、 400以上の科目が配当されています。気が遠くなるような数ですが、これらのなかから自分が好きな科目を選んで勉強できるのが大学です。こういえば、自分がいかに賛沢な環境にいるのか、皆さんも実感できるのではないでしょうか。
とはいっても、何でも好きなように科目を取ればいいというわけではありません。商学部で学び、卒業すると、皆さんには全員「学士(商学)」という学士号が与えられますが、そのための条件(卒業要件)というのが決まっているのです。この条件をクリアしなければ、商学部を卒業することはできません。
条件の1つめは、 4年間で「128単位以上」修得するということです。 「単位」というのは耳慣れないという人もいるかもしれませんが、商学部の科目は、ほとんどが1科目=1単位(外国語科目など)、または1科目=2単位(大部分の講義科目)です。だから、 1単位の科目を8科目、2単位の科目を17科目履修して、すべて試験に合格すれば、合計42単位修得したということになるわけです。どの科目が1単位科目で、どの科目が2単位科目なのかは、 Web上の履修登録システムやシラバスでも確認できますし、入学時に配付された青い表紙の冊子『大学要覧』 (HAND BOOK)にもすべて記載されているので、そちらで確認してください。
とにかく4年間で128単位以上ということですから、 (最終学年では就職活動や卒業論文の作成に専念しなければならなくなることが多いことを考えると) 1学年あたり40単位程度は修得しておかなければならないということ、理解していただけるでしょうか。
2つめに、 128単位といっても、何でもかんでも合計して128単位以上になればいいというわけではありません。
大学の授業科目は、その科目の内容によって、いくつかに分類されています。その分類ごとに、この分類からは何単位以上、別の分類からは何単位以上という具合に、 128単位の内訳もルールで決まっているのです。
具体的にいえば、最低でも、 「共通教養科目」は20単位、 「外国語科目」は2カ国語で16単位、 「商学部専門教育科目第1類」は12単位、 「商学部専門教育科目第2類」は26単位、 「商学部専門教育科目第3類」は30単位、合格することが必要です。そのほかにも、 「商学部専門教育科目第4類」 「商学部専門教育科目第5類」 「商学部専門教育科目第6類」 「商学部専門教育科目第7類」「商学部専門教育科目第8類」という科目群があり、上記の内訳を満たした上で、これらすべてを合計して128単位以上になれば、めでたく卒業ということになるわけです。
すこし複雑でむずかしかったかもしれませんので、具体的に、 1年次生ではどうすればいいのか、 2年次生になったらどうなるのか、学年を追って説明してみます。
まず、大雑把な言い方をすると、 「1年次では、共通教養科目と外国語科目と専門科目第1類を中心に履修する」、 「2年次では、外国語科目と専門科目第2類を中心に履修する」、 「3年次以上では、専門科目第3類を中心に履修する」ということができるかと思います。これを覚えておきましょう。
関西大学の学生となったばかりの1年次生には、学部にかかわらず関大生として共通して身につけて欲しい教養を「共通教養科目」と「外国語科目」で修得して貰います。高校までの国語や英語や理科や社会科の知識を発展させて、英語以外の外国語をマスターしつつ、多彩な「共通教養科目」によって、知識と教養を広げてください。 「共通教養科目」は20単位以上合格しなければ卒業できませんから、 1年次生のうちに、 20単位にできるだけ近い単位数を修得しておくことをおすすめします。また「外国語科目」は、 1年次には計8単位分のクラスが指定され、そのクラスで学ぶことになります。
1年次生では、このように関大生としての共通の教養を身につけることが第一に求められますが、皆さんはせっかく商学部を選んで入学されたのですから、商学部生としてのいわば「基礎の基礎」も、 1年次生のうちに身につけて貫いたいとわれわれは考えています。そのための科目が、 「商学部専門教育科目第1類(入門科目)」です。これは「基礎演習」 「流通入門」 「経済入門」 「ビジネス英語入門」 「経営入門」 「簿記入門演習」の6科目で、科目名称が示すように、まさに商学部生としての入門ですから、必ず1年次生のうちにこの6科目をすべて履修し、 12単位を修得してください。
これらはすべて必修科目ですので、このうちのひとつでも不合格となると、他にいくらたくさん単位を取ったとしても卒業することができません。万が一、これらの科目を落としてしまった場合には、次の学期にもう一度履修して、再度試験を受けていただきます(それでも不合格なら、また次の学期に繰り返しです)。そういうことになると、他の科目の履修にも影響し、挙げ句の果ては4年間で卒業できなかったということにもなりかねませんので、 「第1類は1年次生のうちに必ず6科目すべて合格する」ことを肝に銘じておきましょう。
さて、次は2年次生です。きちんと計画的に学習を進めた皆さんは、 2年次生になった時点で、すでに「共通教養科目」を20単位程度、 「外国語科目」を8単位、 「第1類」を12単位、修得済みですね。したがって2年次では、残った「外国語科目」 8単位と、 「商学部専門教育科目第2類(共通科目)」の履修が中心となるはずです。そこで、 「第2類」科目の履修について説明しましょう。
「第2類」の科目はさらに細かく「商学基礎分野」 「会計・情報・統計分野」 「ビジネス英語分野」 「法律分野」の4分野に分かれています。このなかで、 「商学基礎分野から10単位以上、その他の3分野からそれぞれ4単位以上、 4分野合計して26単位以上」を履修し、合格することが卒業要件となっています。
そこで2年次のうちに、ぜひこの要件をすべてクリアしてしまいましょう。
これらの科目は、 1年次で履修した入門科目のあとを受けて、商学部で学ぶ上ではどの専門分野に進むとしても共通して持っておきたい基本的知識を扱う科目であり、 3年次になって「流通」 「ファイナンス」 「国際ビジネス」 「マネジメント」 「会計」の5つの専修のどれかひとつを選択する前に、あらかじめ学んでおきたい科目であるということができます。したがって2年次のうちは、これら「第2類」の科目を中心的に履修し、3年次以降の進路を考えながら、とくに興味を持った科目があれば、 「第3類」の科目もいくつか履修してみる、というスタンスで臨むのがいいのではないかと思います。
また2年次秋学期に配当されている「第4類」の「演習」 (いわゆる「2年ゼミ」)も、 3年次以降の本格的な「ゼミナール」の予行演習として非常に重要です。 「演習」の募集と選考についてはインフォメーションシステムでお知らせがありますから、そうした情報を見落とさずに、どの「演習」を選択するのか、よく考えて応募するようにしましょう。
なお「第2類」の情報処理やビジネス英語分野の科目のなかには、科目の性質上クラス定員が定められている(履修が抽選となる)科目もありますので、インフォメーションシステムでの連絡などに注意して、計画的に履修することを心がけてください。
上記のように計画的に履修を進めたならば、 3年次生になった皆さんには、既に本格的・専門的な商学の研究に進むための基礎が身についているはずです。これまでは全員が商学部生として一括して扱われてきた皆さんも、 3年次からは、いよいよ5つの「専修」に分かれることとなります。自分が「流通」「ファイナンス」 「国際ビジネス」 「マネジメント」 「会計」のどれを選択するのか、下位年次のうちから少しずつ考えておくのもいいでしょう。
商学部でどの専修を選ぶのかは、 2年次の学年末に「専門演習」を選択することによって事実上決まります。 「専門演習」というのは、カリキュラム上は「第4類」の科目で、 3年次に配当されたこの「専門演習」と4年次配当の「卒業研究」が、いわゆる「ゼミナール」と呼ばれるものです(その予行演習である「2年ゼミ」については、 2年次生の履修を説明するなかで触れました)。3年次以降では、こうした「ゼミ」に所属し、 2年間をかけて「研究論文」 (いわゆる卒業論文)を執筆するというのが多くの商学部生の学生生活の中心となります。
たとえば皆さんが会計専修の教員の「ゼミ」を選べば、皆さんは少人数制の「ゼミ」で会計についての研究を進めながら、 「商学部専門教育科目第3類(応用科目)」のうち、会計専修に分類された科目を中心に履修することになるでしょう。 「第3類」科目についての卒業要件は、 「自分が専門とするひとつの専修の科目20単位以上を含んで、すべての専修をあわせて30単位以上」です。つまり、会計専修の科目を20単位履修・合格すれば、あとの10単位は会計専修でもその他の専修でも自分の興味に応じて自由に選べる、ということです。
100科目を超えるバラエティに富んだ商学部専門科目第3類のなかには、皆さんの専門的興味に応える科目がきっといくつかあるはずです。
Webシラバス には全科目の詳細な講義内容が記載されていますから、これをよく読んで科目を選択することを心がけてください。ろくにシラバスも読まずに(時間割表だけを見て安易に)科目を選択するような人は、結局は授業に興味がもてずに脱落していくことが多いようです。これだけ豊富な選択肢が準備されているのに、何ともったいないことだろうかと思わずにはいられません。
以上、いわゆる講義科目の履修選択を中心としてお話ししてきましたが、上でも少し触れたように、商学部にはこのほかにゼミナール(専門教育科目第4類「演習科目」)というものがあります。 2年次の「演習」、 3年次の「専門演習」、 4年次の「卒業研究」からなるゼミについて詳しくは、 「各専修の紹介」のページを読んでください。ここでは、そのゼミと並んで、商学部が用意している少人数教育の特別プログラム科目をご紹介します。いずれも2年次生から参加できる「商学部専門科目第5類(実践科目)」、「商学部専門科目第7類(ビジネスリーダー特別プログラム科目)」および「商学部専門教育科目第8類(会計連携特別プログラム科目)」で、将来の進路に直結した実践的な科目として皆さんの専門的なニーズに応えようと提供しているものです。多くの皆さんは、ゼミナールに入って指導教員のもとで卒業論文を書き上げる道を選択することとなると思いますが、これらの特別プログラムを選択し、スペシャリストをめざすことを考えてみることもいいでしょう。
まず、会計分野の専門プログラムとして、 「会計連携特別プログラム(ALSP)関連科目」があります。こちらは、商学部在学中に公認会計士試験に合格することをめざして、試験に直結した演習形式の特訓を行おうというものです。ご存じのように、公認会計士試験は難関として知られ、ほとんどの受験生はいわゆる受験予備校(専門学校)に通って試験対策をしています。そこで、そうした専門学校で受験指導を担当されているベテラン講師をお招きして、大学の授業として試験対策を行う科目がALSP関連科目です。公認会計士試験にチャレンジしようという皆さんの積極的な参加を期待します。
次に、 「サービス・イノベーション特別プログラム(DSI)」は、産学連携により情報化時代の最先端を行く教育を展開しています。
さらに、 「ビジネスリーダー特別プログラム(BLSP)」について説明します。商学部では「品格ある柔軟などジネスリーダーの養成」を教育目標に掲げていますが、 BLSPはそうしたビジネスリーダーとしての基礎を、選抜された少人数の演習形式の授業で身につけて貰おうというプログラムです。 BLSPの諸科目について詳しくは、 こちら をご覧下さい。
最後に「会計連携特別プログラム(ALSP)科目」について説明します。これは、日商簿記1級、公認会計士といった会計プロフェッショナルをより効果的に輩出することを目的として設置しています。
5つの専修いずれかの「ゼミナール」に進んで専門的な研究を進めるのか、それとも、いずれかの「特別プログラム」に参加してスペシャリストをめざすのか、皆さんにははやくも1年後、 2年次生になった時点で決断が迫られます。1年次生のうちから、すこしずつ自分の進路を考えながら計画的に履修を進めることが、充実した大学生活を送るためには求められるのです。4年という歳月と数百万円の学費とを無駄にすることなく、そのコスト以上の成果を、 4年間のうちにぜひ獲得してください。
このほかに「共通教養科目」「外国語科目」などがあります。
また、以下では科目の名称は省略されています。
詳細は各入学年度のカリキュラム表およびHAND BOOK『大学要覧』を見てください。
【第1類】 「入門科目」 |
※12単位必修 基礎演習 流通入門 経済入門 ビジネス英語入門 経営入門 簿記入門演習 |
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【第2類】 「共通科目」 |
※商学基礎分野から10単位以上、その他の分野から各4単位以上、合計26単位以上 (商学基礎分野) (会計・情報・統計分野) (ビジネス英語分野) (法律分野) |
【第3類】 「応用科目」 |
※20単位以上のいずれかひとつの専修を含み合計30単位以上 (流通専修) (ファイナンス専修) (国際ビジネス専修) (マネジメント専修) (会計専修) |
【第4類】 「演習科目」 |
※14単位まで卒業所要単位として算入可 |
【第5類】 「実践科目」 |
※14単位まで卒業所要単位として算入可 (会計連携特別プログラム(ALSP)関連科目) (サービス・イノベーション特別プログラム(DSI)) (教員免許科目) (生涯スポーツ・身体運動文化科目) (他大学設置科目) |
【第6類】 「産学連携科目」 |
※6単位まで卒業所要単位として算入可 |
【第7類】 「ビジネスリーダー特別プログラム科目」 |
※24単位まで卒業所要単位として算入可 (プロジェクト科目群) (ビジネス英語科目群) (選択科目群) |
【第8類】 「会計連携特別プログラム科目」 |
※10単位まで卒業所要単位として算入可 |