2017.03.31
2016(平成28)年11月29日(火)13時00分~14時30分(第3時限)に、千里山キャンパス第2学舎F棟401教室において、一般社団法人 日本物流団体連合会 理事・事務局長である村上敏夫氏による商学部学術講演会を開催しました。
演題は、「物流を取り巻く現状と課題~グローバル化への流れ~」で、(1)日本における物流、(2)グローバル化時代の国際物流、の二つの視角よりご講演いただきました。
村上敏夫氏は、ご講演の冒頭で、地震・大雪・洪水などで寸断されるとはじめて注目される「止まるとわかる物流のありがたみ」、送料無料はありえないはずが日本では「水と空気と物流はタダ」の矛盾、宅配便(CtoC、BtoC)は「物流全体の約10%程度」(物流の大半はBtoB)など、日本の物流をめぐる誤解と真実についてご紹介されました。
産業としての物流の課題と発展方向として、①グローバル化、②ICT、③グリーン化、④セキュリティ、⑤BCP(Business Continuity Planning事業継続計画)がキーワードとなることを示されました。
国際的な物流業界の動向として、世界規模でのJIT、サプライチェーン・マネジメント(SCM)の物流体制の構築が求められている現状をご紹介されました。高度化・多様化する顧客の物流需要に対して、物流事業者の対応を、業界別のサプライチェーンモデルとして、一般消費財、自動車産業などを例に示されました。
また、物流の仕事について、「サプライチェーンをいかに効率的に機能させるか」「自然災害、政治経済の急変動からサプライチェーンをどう守るか」という観点から、創造型、提案・開発型の仕事であることをご説明くださいました。
ふだん物流の存在を意識せずに生活している人にとっては、ご講演を通して物流をあらためて認識する機会となりました。
記事提供 : 商学部 飴野 仁子教授