生産と消費をつなぐ流通のメカニズムや企業のマーケティング戦略に関する理論を、さまざまな視点から解明していきます。経済や流通の基本であるヒト、モノ、マネー、加えて近年特に重要視される情報が、どのように繋がり流れていくかに焦点をあて、社会・経済・経営の仕組みを明らかにします。
流通を学ぶことで、最終的に消費者に至るまでのモノと情報の「流れ」の中でビジネスを複眼的に考える能力が向上します。 つまり、流通という深い森(全体)と木(部分)を同時に見ることができる力を養います。 また、少人数制のゼミ活動や学外交流などを通じて、ビジネスに対する「マインド・セット」も育まれます。これには競争力、創造性、コミュニケーション能力、ベンチャー精神、社会的責任などさまざまな要素が含まれるでしょう。流通専修では、流通企業、商社、メーカーや、eビジネス企業などで活躍する人材を輩出しています。
流通の仕組みを学ぶことで、広い視野と論理的に考える力が育つ。 広告や企画への興味から商学部へ。商学の基礎的な学びに加え、コンビニエンスストアでのアルバイトを通して小売業の流通に関心を抱き、流通専修を選択しました。消費者ニーズの変化や技術の発達により、小売業界には新しい形態が次々に誕生。当たり前のように使っているサービスにも、さまざまな理論に基づく仕組みと問題点が存在します。生活に密着した流通の裏側を学ぶ中で、多角的な視野と論理的な思考力が身に付きました。
消費者の心理や行動を学び、アンケート調査を実施。 なぜヒット商品が生まれるのか、多くの人がその商品を選ぶ理由は何か、といったことに興味があったので、消費者行動について学べる流通専修を選択。人の心理状態と購買行動についての理論を学んだことで、お店の商品陳列や宣伝広告の方法などに対する見方が変わりました。また、ゼミでグループ研究に打ち込んだ経験から、チームで一つの目標をめざすためには、ディスカッションが大切だと実感できました。
消費者行動の調査を通して論理的思考が身に付きました。 「SNSへの依存が消費者の行動にどのような影響を与えるか」について、日本とタイの状況を比較する分析調査を行いました。その結果、タイでは情報的な広告、日本では感情的な広告が購買意欲を促しやすいことがわかり、文化の違いを実感。この調査結果を、全国の大学生が集まる国際ビジネスインターカレッジにおいて英語で発表したところ、審査員特別賞をいただくことができました。
モノと関わるあらゆる産業を支える「物流」の仕組みに興味をもち、流通専修を選択。小売店や生協、交通など身近な切り口から、消費者の視点だけでは見えない、奥深い流通の世界を学んでいます。ゼミでは、企業の従業員向け通信販売の新企画として「ワインと料理のセット」を提案。物流・通販のしくみ、商品企画・カタログ製作まで、流通フロー全般に携わることで理解を深めました。
生活者の視点で身近なテーマを研究できる流通専修。私は、まだ食べられるのに捨てられてしまう食品を、食べ物に困っている人や施設に届ける「フードバンク」について興味を持ちました。日本では年間約632万トンの食品ロスがあるにもかかわらず、子どもの6人に1人が貧困状態にあるとされています。この現状を改善するため、フードバンクの普及・啓発に向けた具体的な施策を考案していくつもりです。
デパートの一階にある高級化粧品店をのぞいてみましょう。
新しい香水をフィーチャーしたポスター。
白のシャツと黒のパンツで緩やかに統一された店員の服装。彼らが手にする情報端末。
一瞥するだけで、あなたはこのブランドないし店舗の顧客に対する働きかけを読み取ることができます。
ポスターのイメージはテレビCMと一貫性が保たれ、同時にブランドが伝えたい意味のエッセンスを象徴しています。
店員の服装がシンプルなのは、このブランドの化粧品を使ったメイクを引き立たせ、あなたがた自身を投影するキャンバスの役割を果たします。
そして、端末は入力された顧客の年齢や購買履歴から店員が適切な提案を行うために使われます。
さすが、高いお金を払ってまで買うに値するブランドです。ところが、あなたは自分が気に入った香水の在庫が切れていて、がっかりしながら帰途につくかもしれません。大学で学ぶ言葉に翻訳すると、在庫管理と顧客の不満。流通専修で考えるべき問題は私たちの日常を取り巻いているのです。