アフリカで最も「安全」な国ルワンダと日本の交流に迫る -神戸市役所・神戸情報大学院大学インタビュー

執筆担当:足立 有希(亀井ゼミ)

今回、私が神戸市役所と神戸情報大学院大学(以下KIC)にインタビューに行った理由は、神戸市が日本とルワンダの重要な架け橋となり、ICTの技術向上に貢献し、協力しているからだ。

アフリカ中部に位置するルワンダでは、1994年に3ヶ月で約100万人が虐殺されるジェノサイドが起こった。国中が悲しみと憎しみで包まれたが、ポール・カガメ大統領はルワンダを中所得国にすべく、「VISION2020」を制定し、色々な政策を施してきた。

ルワンダは周りのアフリカ諸国に比べると、非常に小さく、資源も乏しく、内陸国なので港もない。そこで政府が力を入れているのが知識集約型経済である。その中でも力を入れているICTは、初期投資をあまり必要とせず、始めやすい。今では、首都のキガリだけの発展だけではなく、国民の7割から8割が従事している農業にもICTを活かせるようにと開発が進んでいる。近年の目覚ましい経済成長は「アフリカの奇跡」と呼ばれるほどだ。

神戸市役所にて  医療・新産業本部 企画誘致部のエドリスさんと吉永さんと

神戸市では、市役所とJICAとKICが、ルワンダから多くの留学生を受け入れている。神戸市は、神戸市の企業とKICで学んでいるルワンダの学生をマッチングする機会を作り、インターンシップを行うなどの活動を積極的に行っている。KICで学んだ卒業生は、様々な分野でICTを使って祖国だけではなく世界でも活躍している。

現在のルワンダは、約20年前に大虐殺が起こったとは思えないくらい治安が良く、街が綺麗である。治安の良さはアフリカで群を抜いている。ここまで成長したのは、国民に和解の心を持たせ、リーダーシップを発揮したカガメ大統領の力である。ルワンダのビジネスのし易さは世銀の「Doing Business」において、アフリカ2位、世界でも上位にランクインするほとである。加えてルワンダ人の性格は日本人と似ていて、シャイで勤勉である。これらの点が、日本とルワンダが仲良くできている理由ではないかと考える。

神戸市では、まだまだ発展途上だが可能性のあるルワンダと協力し、お互いの発展に向け活動している。それだけではなく、神戸市がアフリカの留学生を多く受け入れていることは、学生間や街全体においての異文化理解にもつながっているのではないだろうか。

神戸情報大学院大学にて 広報課の伊藤さんと「ルワンダキガリを中心とした若手ICT人材育成事業」プロジェクトクトマネジャーの船山さんと