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2019.03.28

2018年度国際ジョイントPBLプログラム@陸前高田eJIP.jp参加者座談会を開催しました!

2018年度国際ジョイントPBLプログラム@陸前高田eJIP.jp参加者座談会
私たちは陸前高田で異文化と温かい人づきあいに接して、視野と関心が広がって一歩踏み出した

「国際ジョイントPBLプログラム」 eJIP (イージップ:Joint International PBL in English) は、プロジェクト実践力と異文化適応能力を磨くために、商学部の学生と海外の大学の学生とがチームを組み、共通言語は英語として地域の魅力発見に取り組む全く新しいプログラムです。
 2018年夏に実施された国際ジョイントPBLプログラム@陸前高田(eJIP.jp)の座談会が2018年12月に行われました。

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(写真)2018年度eJIP.jpに参加した学生とお世話になった地域の方々

 2018年夏に実施された「国際ジョイントPBLプログラム@陸前高田(eJIP.jp)」には、関西大学の協定校であるメキシコのモレロス州自治大学(UAEM)学生2名、ベトナムの貿易大学(FTU)学生2名と、関西大学商学部生5名の計9名が参加しました。
8月上旬に兵庫県丹波市にある関西大学佐治スタジオでオンサイト学習でのコミュニティーウォーク(集落を歩き五感を働かせて地域のよいところを発見する)を想定した合宿をeJIP.vnメンバーと合同で行い、更に千里山キャンパスにおいて英語でのディスカッション技法を学ぶオフサイト学習を行いました。オンサイト学習は8月下旬から9月上旬に陸前高田市で行われました。オンサイト学習では、民泊(一般家庭での宿泊体験)とコミュニティーウォーク、最終日には地域の方々に,陸前高田の魅力を伝えるプレゼンテーションを行いました。
座談会には、2018年の夏休みにeJIP.jpに参加した2年次生の北田龍輝さん、1年次生の田中光さん、柑本紗也子さん、巽珠希さん、和田麻里百さん、司会役として2017年度eJIP.jp参加者の堀田小百合さん参加しました。なお、学年はいずれも2018年度時点のものです。

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(写真)8月1-2日に関西大学佐治スタジオで行われた合宿

〇英語力を磨きたい,被災地に行きたい,新しいことに挑戦したいから参加した
田中:英語を多用するプログラムだということで、語学力を向上できたらいいなあと思って参加しました。

柑本:まりも(和田)にこのプログラムを教えてもらって、日本に居ながら英語に触れることができるなんて、まるで留学に行っているような体験ができるのではないかと思いました。海外に留学に行くのは自分にはハードルが高そうだと思っていたので、日本に居ながら異文化に触れる体験ができるのだったら参加するしかない!と思いました。

巽:新しいことに挑戦してみたいなあと思っていたら、たまたまeJIPの参加者を募集しているのを見つけて、いいなあと思って参加しました。

北田:高校3年生の時に好きなバンドの曲に影響されて被災地に行ってみたいなあと以前から思っていました。

和田:このプログラムに参加しようと思ったのは、私が履修した基礎演習の担当の長谷川先生に参加を勧めてもらったからです。ちょうどその時、大学の授業に物足りなさを感じていて、このままではだらだらした大学生活を送ってしまうのではないかと感じていました。大学では自分で行動を起こさないと何も始まらないことに気づいて参加を決意しました。でも一人では不安もあったので、さやこ(柑本)を誘いました!

〇陸前高田には濃い時間がゆっくりと流れている
柑本:私たちは,民泊の最初の夜にバーベキューで歓迎してもらいました。普段、ご飯は20分くらいで終わって、自分の部屋に行く感じですが、そのときは話が尽きることがなくて、ずっとしゃべり続けていて、時計を見るといつの間にか何時間もたっていました。しかも、その時間で自分のことも話せたし、なによりも自分の話をしっかり聞いてくれました。民泊先の方の話も聞けたし、よりいっそう打ち解けられたと思いました。

巽:コミュニティウォークで地元の方の家に訪問した時に、話聞かせてもらうだけなのに、お菓子やお茶を出してくださって、初対面とは思えない温かさと優しさを感じました。

和田:大阪では、見ず知らずの人を自宅に招き入れることはほぼないことで、家が隣の人であっても、家の外に出た時にたまたま会ったら挨拶をするくらい。それが普通だと思っていたから、ほんまに驚きました。

全員:ほんまにそうやんな。

堀田:陸前高田では、なんで人との関係が親密だったり、初対面でも歓迎してくれたりするのだと思う?

柑本:近所同士のつきあい、信頼関係ができているからかなあ。

堀田:大阪では信頼関係を築くまでもないというか、難しい気がする。

和田:大阪の人はみんな忙しい気がします。人と会う時間も陸前高田の人たちと比べてかなり少ない感じがします。陸前高田の人は時間にゆとりを持っているんですかね。

堀田:去年のプログラムでも陸前高田は時間の流れがゆっくりだというのを感じている人が多くいたなあ。

和田:仕事とかを効率よくこなしているのは、大阪の人だと思うけど、陸前高田の人はゆとりのある時間のなかで対人関係において濃い時間を過ごしていると思います。

〇意外と伝わる陸前高田流ボディーランゲージ
堀田:コミュニティウォークや民泊で海外からの学生は、地域の方とコミュニケーションとれていたのかな。

田中:私は、まりも(和田)と同じチームで越戸さんの家に民泊でお世話になりました。私たちは、越戸さんたちが呼んでくれた地域の方や友だちと一緒にご飯を食べることができました。地元の方は英語を話す人が少なかったけれど、ボディーランゲージで会話ができていてすごいと思いました。今まで、正しい英語を話さないといけないという固定概念があったので、自分から進んで話すのは難しいと思っていました。けれど、新しいコミュニケーションを発見したような気がしました。

北田:僕のチームは日本人が一人やったから、1日目は民泊先の方との通訳をしていくのが大変でした。2日目はお互いが打ち解けられて、あまり通訳しなくても雰囲気で言いたいことが伝わるようになってきていました。それこそ、ボディーランゲージを使ってた!

堀田:私の時も通訳で悩んだなあ。私と民泊先の方とは日本語で話せるけれど、海外からの学生を置いてけぼりにしてしまうこともあった。自分は日本語でとてもいい話を聞いているのに、それを伝えるのが難しかった。

和田:ひかる(田中)が言っていたように、民泊先では難しい英語よりもボディーランゲージで伝わることを発見しました。民泊が始まるまでは、正確で難しい英語を使うことにとらわれていました。英語に対してのハードルがかなり下がったと思います。

柑本:わたしも、英語に対して難しく考えすぎていた気がします。

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(写真)学生が企画した小友町上の坊地区でのたこ焼、お好み焼パーティーのチラシ

〇海外からの学生は自信にあふれ、自分の考えを進んで発言する
柑本:プログラムが始まる前から日本の学生より海外の学生の方が時間にルーズというのは耳にはさんでいたので、ある程度は覚悟していたつもりでした。でも日本では決められた時間を絶対守るというのに慣れすぎていて、最初は時間に対しての異文化を受け入れるのが難しかった。でも、一緒に過ごす中で逆に面白いなって思えるようになりました。

和田:プレゼンや朝のミーティングで海外からの学生の発言力がすごいなって思いました。日本の学生はまだまだ自分の意見を言う力がないし、プレゼンする力が全然ないと感じました。今回のプログラムを通して、これから海外で仕事をするようになったら、日本人負けるなって本当に痛感しました。自分の考えを伝えることの大切さを学ぶことができました。

北田:日本の学生はプレゼンの時は観客の目を意識しすぎている気がしました。自分たちが考えたことなのに、心のどこかでどう思われるか考えていると思う。

田中:海外からの学生は、僕が考えたことはこうです!という自信をもっている感じがしました。

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(写真)9月8日に陸前高田市内で行われた最終発表会

〇eJIP.jpを機にハードルが下がり,視野と関心が広がって,一歩踏み出した
田中:積極的になれたと思います。授業でのグループワークでは、いつも受動的で自分の意見を言えなかったけれど、発言できるようになりました。このプログラムで自分の意見を伝える機会が多かったからだと思います。

北田:自分の中で確実に変われたことが二つあります。一つ目は忍耐力がついたこと。二つ目は初対面の人に自分から声をかけられるようになったことです。プログラム前とプログラム後にバーベキュー行って、どちらも忘れ物をしてしまったんです。eJIP.jpに行く前は、知らない人に声かけられなくて結局、忘れたものを借りられなかったけど、eJIP.jpに行った後は声をかけられるようになりました。

柑本:自分の中で英語に対してのハードルが下がった気がします。英語は苦手だったけど、身近に感じられるようになりました。

巽:スーパーで食べ物を見るときに産地を気にするようになったり、海外のニュースも結構気にするようになったりしました。

田中:この春に語学留学に行くことにしました。もっと話せるようになりたい!そのためには英語を勉強しなくちゃ!って思うようになりました。

和田:私は視野が広くなったと思います。海外のことを気にするようになったし、日本の文化にとらわれてないような気がします。意見を言うのは得意だったけど、自分の感情を相手に伝えるのは苦手でした。思っていることがあっても自分の中にとどめておくことが多かったけれど、上手に相手に伝えることができるようになりました。


【編集後記】
eJIP.jpを通して全員が地域の方の温かさや異文化と触れて新しい自分を発見しました。また、日常生活ではなかなか意識することのない五感を意識的に働かせて、人の温かさや参加メンバーの気づかいに気づき、予期せぬ事態に臨機応変に対応でき、海外の学生と互いに歩み寄ることができました。プログラム中やこの座談会では気づかなかった自分自身の成長を、プログラムが終了した今でも、ふとした瞬間に気づくことがあります。このプログラムをきっかけに参加者の多くが大学生活で新しいことにチャレンジしようとしています。eJIP.jpは価値ある大学生活を送る後押しをしてくれました。(和田麻里百)

(この記事は,2018年度eJIP.jp参加メンバーの和田麻里百が執筆しました)







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