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芝池義一名誉教授が「行政法読本」第4版を刊行しました。

芝池義一名誉教授が「行政法読本」第4版を刊行しました。

筆者からの「行政法読本」第版 についての紹介文を掲載します。

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「行政法読本」(第4版、有斐閣、2016年4月刊行)の紹介

本書の狙いないし特色は、下記の「はしがき」からの抜粋をご覧下さい。

 本書は、行政法の制度と原則について、主として初学者を想定し、コンパクトで平易で明快な説明(および多少の分析や解釈)を加えようとした教科書である。前半はいわゆる行政法総論に当たる部分であり、後半は行政救済法に当たる部分である。


 記述に当たってまず目標にしたことは、平易かつ明快に行政法上の制度や理論を描き出すことである。行政法と行政法理論について、いかにうまく、読者に関心を持って頂き、さらにその関心を維持しながら学習を進め、知見を深めて頂くか。これははなはだ難しい課題であるが、本書ではこの課題のため、記述そのものが平易明快になるように努めたことはもちろんであるが、さらに、身近な素材を設問を設けるなどしてできるだけ具体的で実益のある議論だけをするように心がけた。


 もっとも、本書では、個々の事項ないし問題点についての説明を単純に簡略化するということはしていない。説明をせず結論だけを述べるのでは、読者に本当に理解をして頂くことはできないだろう。むしろ、適切な説明は不可欠である。また、従来の教科書では行われていなかったような問題であっても、読者が疑問に思われるであろう点については説明を行った(例えば、行政処分の通知の方法、申請の審査のやり方についての説明)。


 また、前回の改訂以来のことであるが、説明においては図表を多用しているのが本書の1つの特徴である。もともと図表によって理解(時には自分自身の理解であることがある)を深めるのは私の好むところであり、また勤務校の授業でもよく図表を板書してきたが、そうした図表を本書の読者に広く「公開」することにした次第である。

上記のことを少し補足しましよう。

 法律学の教科書の中には難解なものもあり、それを苦労しながらも咀嚼吸収することは大いに意味のあることですが、しかし、もともと本嫌いの私から見ると、本は簡潔明瞭であるに越したことはありません。このような考慮に基づき、本書では簡潔明瞭な記述を心がけています。

 また本書の名称を「読本」としたのは、読者に気楽に行政法の世界になじんでいただきたいという気持ちに由来するのですが、この点でも、記述を平易明快にする必要がありました。

 もっとも、記述が簡潔明瞭あるいは平易明快であるからといって、本書の内容がもっぱら初学者向けにとどまっているわけではありません。結構ハイレベルのことも書かれています。

 また、この点に関係しますが、本書は、他の教科書に比べると、思考力涵養型の教科書を目指しています。一般に法律学の教科書は、法令解説書および受験参考書の役割も与えられているので、知識伝授型の要素を持たざるを得ないのですが、しかしそれだけではつまらない。本書が目指したのは、コンパクトながらも「考える力」をつけることができる内容の教科書です。

最後に、我ながら気にいっているくだりを挙げておきます(本書205頁)。

 自らの行動を自己の意思であるいは他人の指摘を受けて反省し,是正することは人間の本性であるが,これと同様に,行政が自らの意思であるいは国民などの指摘を受けて自己の活動を点検し,是正していくことは当然に行われるべきことであり,法律による承認を必要としない。

 しかし,行政統制の制度の要件,手続,効果を予め法律で定めることは,国民の権利救済上も好ましいことである。行政統制の制度を法律で定めると,制度が安定するし,また国民が利用する制度にあっては国民の地位が権利として保障される可能性が生まれる(行政不服審査制度がその例である)。

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