関西大学法科大学院

About 研究科長からのメッセージ

ごあいさつ

 社会には、必ず紛争が生じます。その紛争を決定的に解決するには、国家権力の裏付けが必要です。その解決を導く専門職が、実務法曹ですね。法曹の職責を支えるのは、社会の実相と時代の方向性を見極め、紛争の実態によりそい、具体的に妥当な結果に向けて、法律を適切に解釈・適用する能力です。そのような能力が、一朝一夕に身につくわけはありません。だからこそ、プロセス教育の理想を掲げて法科大学院という制度が設けられ、今日に至っているのです。
 関西大学法科大学院は、その理想のために、愚直とも思える姿勢を貫いています。教員と事務スタッフが一丸となって、学生に授業内容を理解してもらえるよう日々心を砕いているのは当然ですが、同時に、正課外での学修支援態勢(主に関西大学法科大学院出身の若手弁護士の担当する特別演習がその中核を担います。)を効率的に布陣し、物理的には専用の図書室・自習室を提供し、経済的には給付奨学金・学習奨励金制度により学費負担を軽減して、司法試験合格という現実の目標に到達できるよう、学生のみなさんを支援しています。
 アジア地域の法整備支援への参加や、国内の弁護士過疎地での法律相談の実施などは、皆さんの将来像に、具体的な色彩を与えてくれることでしょう。
 大阪大学法科大学院と連携関係を結び、両大学院の学生がそれぞれの授業に乗り入れることができるようにもしています。最近のオンライン授業の普及は、その実効性を高めてくれるものと期待しています。
 さらに、司法試験合格者の多くは弁護士の道を歩まれますから、その継続教育のために、関大法曹会と連携しています。他面、法曹以外のキャリア支援のためにも、法科大学院就職支援委員会と関西大学キャリアセンターや関西大学校友会との連携協力態勢を、今後、これまでにもまして充実強化していく方針です。
 目標到達が決して容易でないことは、お互い、わきまえねばなりません。そうであるからこそ、関西大学法科大学院は、倦まず弛まず、法曹としてこの国と世界に貢献せんとするみなさんの志を、全力で支援します。千里の道も一歩から。共に未来を切り開きましょう。

関西大学大学院 法務研究科長 下村 正明