カリキュラム

教員エッセイ

第45回考えて行動できる力

商学部准教授    村上 啓介(マネジメント)

 私のゼミでは、学生たちに対して自分で考えて行動するように指導している。基本的には、大まかな方向性だけこちらから示して、学習・研究の内容や進め方は学生たちに任せている。学生が質問しない限りは、こちらから細かいことは言わないことにしている。関西大学の多くの学生は、言われたことを忠実に行う力は持っていると思う。世間には言われたこともできない大学生も多くいるなか、それはそれで素晴らしいことだと思っている。ただ、関大生でも、自分で考えて行動できる学生はそれほど多くないと感じる。何も言われなければ何もしない、注意されなければ怠けてもいいと思っている学生も見受けられる。
 ゼミにおいて、自分で考えて行動するように指導すると、学生のタイプは大きく3つに分かれる。1つ目のタイプは自分でやることを考えて積極的に行動する学生、2つ目はギリギリまで怠けているが、このままでは単位が取れないことを告げると急に頑張る学生、3つ目は稀ではあるが、ずっと怠けている学生である。中でも一番多いのは2つ目のタイプの学生である。私も学生時代は期限ギリギリになってからやるタイプだったので、この学生たちの気持ちは理解できる。ただ、3つ目のタイプの学生の思考はいまだに理解できない。この学生たちも単位は取りたいと思っているはずなので、このままでは単位は取れないと何度も警告するが、それでも頑張ろうとはしない。それで、もう単位を諦めたのかと聞くと、諦めてないと言う。このタイプの学生の指導には頭を悩まされる。
 それでも、多くの学生は4年次の最後にはそれなりの卒業論文を書き上げてくる。そのような学生たちには、ぜひ社会に出ても自ら考えて行動できる人物になってほしいと思う。

『葦 2020.№176 夏号』より

2020年8月27日更新
※役職表記は、掲載当時のものです。

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