カリキュラム

教員エッセイ

第43回少しだけの好奇心とチャレンジ

商学部教授  朴 泰勲(マネジメント専修)

 筆者はこれまで自動車産業を中心に企業の組織間関係について事例研究をしてきたが、3年前のあるきっかけから、企業の特許戦略について関心を持つようになった。ところが、膨大な特許データの入力と処理につまずいてしまい、研究がなかなか前へ進まなかった。データ分析に詳しい友人に相談したところ、データマイニングの手法を活用すれば、データの収集と入力が自動化できると聞いた。しかし、データマイニングをするためには、パイソン(Python)というプログラミング言語を新しく勉強しなければならなかった。最初は文系出身でプログラミング言語を一度も習ったことのない自分にとって無謀なチャレンジだと思ったが、ビッグデータの時代にパイソンの活用方法を身につければ、将来色々な分析ができると考え、勉強しはじめた。その後、試行錯誤を積み重ね、2ヶ月が経った時点で不完全ではあるが、目標とするシンプルなプログラムが完成できた。今はデータマイニングで集めたデータを中心に統計分析をしている。

 一方、データマイニングを勉強する際に、多くのAIのプログラムがパイソンで開発されていることを知った。好奇心半分と少しだけのパイソンの知識に頼りながら、AIと機械学習について勉強しはじめた。グーグルのプラットフォームを用いて練習してみたところ、なんとウェブカメラがパソコンの前に立っている自分を人間として認識し、それ以外の携帯電話、ボトル、時計、マウスなども探知しているのではないか。その後、ゼミの学生と一緒に特許データのマイニングとAIを体験するグループワークを始めるようになった。遅れながら新しい世界へ踏み出したばかりだが、試行錯誤をしながらも、研究を楽しめば、きっと研究は続けられると考えている。

『葦 2019.№173 夏号』より

2020年6月30日更新
※役職表記は、掲載当時のものです。

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