カリキュラム

教員エッセイ

第42回学生オーケストラの魅力

商学部准教授  徳常 泰之(ファイナンス専修)

 関西大学文化会交響楽団は1948年に創立され、70年もの長い歴史を持つ学生オーケストラです。ずいぶんと昔に学生オーケストラに所属し、「My」コントラバスを演奏していたという理由で顧問を引き受けさせていただいてから15年が経過しました。

 バイオリン、ビオラ、チェロやコントラバスなどの弦楽器、フルート、クラリネット、オーボエやファゴットなどの木管楽器、トランペット、ホルンやトロンボーンなどの金管楽器およびティンパニーや大太鼓などの打楽器など多種多様な楽器が交響楽団では使われます。高音域、中音域や低音域と担当が分かれ、また旋律を担うパートやハーモニーを支えるパートと役割分担されています。交響楽団で演奏するということは楽器の特性から生じる多様性を前提とし、互いを理解して尊重し、クセのある個性の集合体の中で協調しながら「音作り」を進めていくことです。

 関西大学文化会交響楽団には音楽を専攻とする学生は一人もおりません。演奏技術、練習時間、舞台経験の数や音楽の解釈力のいずれの点においてもプロの音楽家には到底敵いません。また学生オーケストラは毎年メンバーが入れ替わり、4年で全員が入れ替わるというプロや市民オーケストラには無い宿命を抱えています。しかし、エネルギーに満ち溢れ、回り道をしながらも、集中して音楽に向き合う現役の団員諸君が見せてくれるひたむきな姿には底知れない魅力と深い感動を覚えます。

 私の大学生活の中心はオーケストラでした。振り返れば、なぜそこまでのめり込んだのかと不思議に思うこともありますが、知らないうちに魅力と感動に取りつかれていたのかもしれません。大学時代の経験は今でも私の大きな財産となっています。

『葦 2019.№172 春号』より

2020年6月30日更新
※役職表記は、掲載当時のものです。

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