新着情報

2017.02.27

商学部主催の関西大学客員教授講演会〔12月20日 高橋英行氏〕を開催しました!

  平成28年12月20日(金)13:00~14:30(第3時限)に、関西大学千里山キャンパス第2学舎1号館A棟 A501教室において、関西大学客員教授、大阪銀行協会専務理事の高橋英行氏を講師に迎え、「マイナス金利に立ち向かう地域金融機関」というテーマで商学部主催の客員教授講演会を開催しました。

関西大学客員教授、大阪銀行協会専務理事の高橋英行氏

 講演会の様子  講演会の様子

  講演会の要旨は次のとおりです。

****************

  日銀に在職中の平成7年、縁あって戦後銀行として初めての破綻となる兵庫銀行の破綻処理に加わることになった。今思えば、その後続くことになる銀行破綻のプロローグに過ぎなかった。日銀神戸支店の一室を借りて、兵庫銀行の受け皿となる新銀行(みどり銀行)の設立の準備を行った。平成7年は阪神淡路大震災の年であり、その年の12月には鎮魂のため神戸ルミナリエが初めて開催された。翌年1月の新銀行の営業開始を控え緊張感も手伝い、クリスマス(?)の澄み切った寒い夜を照らす美しいイルミネーションがとても鮮やかであったことを今も覚えている。

  この時期以降のバブル崩壊過程における地方銀行の整理・統合は激しいものがあった。特に関西では、地銀の数が平成7年には21行だったが、現在は10行と約半分に激減している。

  今また、地方銀行の新たな統合の動きが始まろうとしている。それは前回と異なり危機に直面したからではなく、将来を展望したものである。今日はその背景について探ってみたい。

  地方銀行の本業のもうけである資金利益はこのところ減少を続け、日銀のマイナス金利の導入によりこの傾向を一段と加速させている。預金利子と貸出金利子の差を示す預貸金利鞘の縮小は続いているが、その要因を分析すると、人口減少、市場金利の低下(マイナス金利の影響)、預貸率(貸出金/預金)の低下がその要因となっており、低成長が継続する場合は、10年後は現状よりさらに利鞘が縮小するとの試算もある。

  ここ数年、地域銀行の経営者たちは本業不振の中で将来を見据えた「持続可能なビジネスモデルの構築」を行政より求められていたが、日銀のマイナス金利により、答えを出す猶予期間が短くなったということだと思う。

  利鞘の小さい担保・保証に依存した単純な貸出から、より取引先の事業内容をよく理解し、ニーズに応え、企業価値向上への貢献を通じて、利鞘を確保する貸出を目指すなど、従来の貸出モデルの転換を求められている。 また、そうした取り組みと合わせ、規模の利益の大きい銀行ビジネスにあっては、経費削減等を目指した銀行統合が進められることも予想される。最近、新聞紙上を賑わせている地方銀行の統合の報道もこうした脈絡の中で理解すべきである。

*******************

講演会の様子  講演会の様子

講演会の様子  講演会の様子

  具体的な事例を取り上げながら、学生にも分かりやすく説明をしていただきました。
  講演会に出席した、主に商学部の学生たちは、大変熱心に聴講していました。

☆写真をクリックすると大きく表示されます。

新着情報一覧に戻る

  • Banner
  • Banner
  • Banner
  • Banner
  • Banner
  • Banner
  • Banner
Back to Top