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2010.06.29

商学部学術講演会〔6月24日〕を開催しました。

 

平成22年6月24日(木)13時~14時30分(第3時限)に第2学舎1号館A棟5階 A501教室において、関西大学商学部・文部科学省「産学連携による実践型人材育成事業」プロセスイノベーター育成プログラムの開発(DSIプログラム)共催による学術講演会を開催しました。

株式会社オギノの商品本部総括マネージャーである石原みどり氏を講師に迎え、「最先端小売業のCRM (*1)への取組」という演題でご講演いただきました。

 

株式会社オギノ 商品本部総括マネージャー 石原みどり氏

 

講演では、(株)オギノが生き残っていくために、これまでFSP(フリークエント・ショッパーズ・プログラム*2)データを用いて実施してきた取り組みに関するお話をしていただきました。

(株)オギノは、昭和28年の創業し、山梨県内を中心に36店舗を展開する総合小売業です。

山梨県では食品に関するシェアの33%を占める地元に根付いたスーパーマーケットを経営し、FSPを用いた研究に力を入れており、 メーカーと共にFSPの取り組みを積極的に行っています。

 

(株)オギノのFSPの取り組みは、顧客に会員カードを発行し、IDと購買データを紐づけたデータを蓄積し、そのデータの分析から有用な情報を導き出すなど、マーケティングに関する様々な試みを行っています。

これまでにはない販売促進方法としては、ダイレクトメールは郵送費用が高いため、これに代わるFSP新手法の開発としてダイレクトレシートを始めたことがあげられます。

ダイレクトレシートは、一人ひとりの顧客に異なったプロモーションが可能になり、予め購買履歴データから顧客の好みを分析し、その結果に従って、レシートに異なる商品の販売促進情報を記載することができます。

 

石原氏は、FSPを導入したいという企業は多いが、導入による効果を得るためには、その後の取り組みが非常に重要となるため、世界でもFSPを成功に導いた企業は(株)オギノを含めて7社(TESCO、Izumiya、 Foodtownなど)しかないと述べられていました。

また、FSPデータを分析する上では、データを用いて購入している顧客から仮説を導きだすことが重要であるが、そこには経験や勘といったドメイン知識なども必要であり、ただ分析したということではなく、必ずビジネスにつながる分析が必要である点を強調されていました。

 

講演会には主に商学部の学生約300名が参加し、会場のA501教室は満席状態となりましたが、私語もなく、大変熱心に聴き入っていました。

 

講演会の様子    講演会の様子

 

満員となった講演会    熱心に講演をきく学生

 

 

*1  CRMとは:

Customer Relationship Management(カスタマー・リレーションシップ・マネジメント)の略で、顧客の購買行動や年齢、性別、趣味などの個人の情報を収集し、その活用により、効率の良い営業活動を行うためのマーケティングの手法で、顧客関係を構築し、顧客価値を創造する戦略です。

詳細な顧客データベースを元に、商品の売買から保守サービス、問い合わせやクレームへの対応など、個々の顧客とのすべてのやり取りを一貫して管理し、顧客のニーズにきめ細かく対応することで顧客の利便性と満足度を高め、顧客を常連客として囲い込んで収益率の極大化をはかることを目的としています。

 

*2  FSPとは :

Frequent Shoppers Program(フリークエント・ショッパーズ・プログラム)の略で、ポイントカードやサービス提供カードといった顧客カードを発行して顧客ひとりひとりの購買データをとらえながら、顧客を購入金額や来店頻度によって選別し、セグメント別にサービスや特典を変えることによって個々の顧客に最も適したサービスを提供し、かつ効率的な販売戦略を展開して、優良固定客の維持・拡大を図るマーケティング手法です。

FSPデータは、エリア分析などでも利用されており、チラシやDMの配布エリアをFSPデータの分析で決定したり、既存エリアの見直しを行ったりする場合に利用されています。

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