キャンパスライフ

商学部客員教授講演会(10月20日荒木直也氏)を開催しました

2023年10月20日(金)10:40-12:10、関西大学千里山キャンパス第2学舎BIGホール100にて、本学商学部客員教授である荒木直也氏(エイチ・ツー・オー リテイリング株式会社代表取締役社長)による講演会「『ハイブリッド型商業モデル』への進化」を開催いたしました。1.jpg

関西を中心に百貨店や食品スーパーなど56社のグループ会社を擁するエイチ・ツー・オー リテイリング株式会社は、(1)デジタル化社会、(2)SDGs重視時代、(3)人口減少社会や少子高齢化社会、(4)資本市場や投資家の要請といった近年の環境変化に対応するため、事業の方向転換に取り組まれています。エイチ・ツー・オー リテイリング株式会社はこれまで、関西圏の小売市場シェア第一位をめざして経済価値を追求する戦略を採用してきましたが、今後は、経済価値とともに社会価値も追求する「ハイブリッド型商業モデル」へとビジネスモデルを進化させ、消費者のマインドシェアで最高位を獲得したい、と長期事業構想が説明されました。

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「ハイブリッド型商業モデル」への進化をめざした活動として、いくつかの事例が紹介されました。たとえば、豊中市と連携して千里中央公園を再整備し、新たな地域交流の拠点にしようとする取り組みが挙げられます。公園内にはアバターが接客するローソンを設置するなど新しい試みが注目されていますが、加えて、地域住民にとって欠かせない存在である公園と小売業の親和性を追求することで、新たな社会価値を創出しようとする活動です。また、阪急百貨店で今年56回目となった「英国フェア」は、大人気の催事であるだけでなく、毎年英国フェアに足を運ぶ顧客とSNSECページを通じてつながり続けることで、通年型の事業にしようと試みています。これは、リアルとデジタルを掛け合わせたハイブリッド型ビジネスモデルへの発展だと考えられるでしょう。

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また、エイチ・ツー・オー リテイリング株式会社では、新しい働き方を検討していることが紹介されました。たとえば、男性の育児参加を推進するため、パートナー子育て休暇を導入し、2021年度には対象者の73%が同休暇を取得しているとのことです。加えて、2022年から阪急阪神百貨店の全社員を対象に年間1日の有給のボランティア休暇を導入し、社会貢献に対する理解を促進し、意識を醸成することをめざしているとのことでした。さらに、2020年から個人事業主型の副業活動を認め、多様な働き方を推進していることが紹介されました。これらの新しい働き方に対する取り組みには、聴講した学生からの関心が高く、客員教授との質疑応答も活発に行われました。

学生にとっては、最先端の小売経営にふれる貴重な機会となりました。聴講した学生からは、「この講演会が経営者の話を聞く初めての機会で、商学部での勉強を頑張ろうと思った」、「インバウンド客が多くなっていると感じていたが、寧波阪急が開店したことで、さらに事業のグローバル化が進むと思う」、「第二次世界大戦中でも店を開けてきた阪急百貨店が、コロナ禍で80日間、店を閉めざるを得なかったと聞き、コロナウイルス感染症がいかに大きな影響を与えたかがわかった」といった感想が寄せられました。実務家の観点から、商学部で学習する内容と有機的に連携させた講演は、聴講者に多くの示唆を与え、非常に有意義な講演会となりました。

記事提供:商学部 藤岡里圭教授

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