商学研究科の「グローバル・リテイリング・プログラム」の海外研修として、修士課程1年生6名と指導教員3名で11月23日~26日に韓国を訪問しました。主な目的は、韓国の名門私立大学である中央大学(Chung-Ang University)との共催のワークショップ"Current Situation and Mutual Cooperation in the Retailing and Service Industries among the East Asian Nations"での研究報告および、AIやビッグデータやロボット技術を活用した新時代の小売業態(ニュー・リテイル)に関する調査でした。
ワークショップにおいて、学生は二人一組に分かれ、それぞれ台湾・中国・日本で見られた小売業における近年の変容について英語で報告し、活発な質疑応答がなされました。また中央大学のプロフェッサー及びシニア・リサーチャーから、韓国小売業の現状や農産物のライブコマースについて最新の動向が報告され、韓国特有の「ニュー・リテイル」とその文化的背景について幅広い知見を得ることができました。
また、ワークショップ終了後には、韓国国内で500以上の店舗数を誇るCOFFEEBAY本社を訪問し、CEOであるJin Seong Baek氏と2時間以上にわたる質疑応答及びディスカッションを行い、日本よりも遥かに激しい韓国コーヒー市場の競争環境と、それに対応したCOFFEEBAYの様々な流通・マーケティング戦略について理解を深めました。また、翌日は韓国の一大財閥ロッテグループのLotte Shopping本社を訪問し、同グループ流通群HQのシニア・マネジャーのHaksoo Kim氏からグループ内における近年のオムニチャネル化とそのための物流改革についてレクチャーを受け、日本国内では決して知り得ない大規模小売グループによる「ニュー・リテイル」の激しい胎動を肌で感じとることができました。また、実際にLotte百貨店本店と、ハイパーマーケット業態のLotte Martソウル駅店の店舗内を現場スタッフに案内してもらい、韓国における買い物事情と最新の小売戦略について学びました。
関西大学商学研究科内で産声を上げた「グローバル・リテイリング・プログラム」は、世界的潮流から遅れをとりつつある日本の小売業を尻目にアジア各国で次々と生起・発展・進化する「ニュー・リテイル」の最新の動向をこれからも様々なアプローチから研究していきます。
文責
岩本明憲