学生ならではの視点を生かし、大阪・関西万博の魅力を
"関大万博部"が発信
~「万博の主役は関大生だ!」学生主体で盛り上げる~
地域・社会
関大万博部
/社会学部1年次生 川上 拓真 さん(愛媛県立西条高等学校)
/社会学部1年次生 北村 胡音 さん(大阪府立三島高等学校)
/法学部1年次生 黒木 望未 さん(岡山県立岡山朝日高等学校)
※学年は取材時
1970年に大阪府吹田市で開催されたアジア初の日本万国博覧会、通称Expo'70からはや55年。2025年ついに万博が大阪の地へ帰ってくる。2005年の愛・地球博からは20年ぶりの日本開催となる大阪・関西万博だ。4月13日に開幕をむかえ、万博の面白さや魅力を学生目線で伝える「関大万博部」の活動も一気に活気づいている。次々に迎える新たなイベントへ向けて日々忙しく準備に奔走する彼らに話を聞いた。
4月に開幕した大阪・関西万博の開催に向けて、本学では2年前に「関大万博部」なる学生コミュニティが発足した。「地元大阪で行われる万博の面白さやワクワク感を、関大から発信していく学生団体です。9つのプロジェクトに分かれていろいろな活動を行っています」と紹介してくれたのは、関大万博フェスタチームのリーダーを務める川上さん。
関大万博部の中でイベントを企画し、他チームのまとめ役を担当するのが関大万博フェスタチーム。チームメンバー17人は全員が1年次生だが、入部した理由はさまざまだ。
「中学高校と生徒会に所属していて、自分たちで体育祭や文化祭を運営することの楽しさを実感しました。同じように自分たちの力でさまざまなイベントを考えて形にしていくという関大万博部がとても楽しそうに思えたので、ぜひ参加したくて」(黒木さん)
「私は以前から万博にとても興味があり、なんとしてでも万博にかかわりたいという思いを持っていましたが、ボランティアは抽選になる可能性がありました。そんな中、関大万博部があると知り、すぐに入部を決めました」(北村さん)
2024年12月15日に千里山キャンパスで開催された『まちFUNまつりin関西大学2024』の中では、自分たちで一から企画考案した初イベントの「関大万博プレフェスタ」を行った。
これからの未来を担っていく小さな子どもたちが、自ら主体的に動けるようなイベントとして地域の住民を対象に実施。「万博謎解きクイズラリー」と題し、関大万博部内の各チームが考えたブースをクイズに挑戦しながら巡るという企画を作り上げ、イベント全体の運営を行った。
在学中の留学生たちが自国の文化や食べ物などを紹介する「ミニ外国パビリオン」や、子どもがおすすめのジュースを提供しながら大人の悩み相談を受ける「こどもBar」のほか、クラフトコーラを題材にしたワークショップや非常食アレンジ弁当の無料試食など、普段の活動を生かしたユニークなブースを各所に設け、来場者は7,500人を超え大成功。
「クイズラリーのポイント振り分けやブースの配置など、全体設計を考えるには他チームの内容や進捗をすべて把握する必要がありました。これが思いの外苦労しましたね」(川上さん)、「自分が所属するフェスタチームメンバーのことだけでなく、140人いる関大万博部全体のシフトなどを調整するのが大変でした」(黒木さん)と初イベントだっただけに苦心したところや反省点も多かった。
しかしそれ以上に、当日はたくさんの子どもたちの無邪気な笑顔に数多く触れることができ、やってよかった! 楽しかった! とイベント運営の醍醐味を感じられたようだ。
なかでも、クイズラリーには手応えも。「ゲーム感覚で遊びながら万博や私たちの活動を知ってもらえるとても良い機会になったと思います。今後も楽しみながら理解を深めてもらえる企画を、もっと考えられたらいいなとやる気が出ました」(北村さん)
大阪・関西万博は4月13日に開幕したが、万博部が手掛ける"関大版万博"イベント『関大万博Weeks』も、今後さまざまなかたちで意欲的に展開される。
メインイベントとなる『関大万博フェスタ』は、6月30日から 7月6日にかけて千里山キャンパスで開催する予定だ。そのほかにも、4月6日の校友イベントや5月と6月に開催される高槻・高槻ミューズ・堺キャンパスでの各キャンパス祭などにも万博PRブースを出展。万博会期中は毎月のようにイベントを計画し、関大生を中心に、教職員、地域住民など、より多くの人々に万博のワクワクを届けていく。
「学生が興味を持てる内容を考えることが、難しくもあり逆に楽しみでもあります。同じ学生だからできること、学生の視点で面白いことを考えていきたい。万博部の活動で学んだり吸収したもの
を発揮できるよう頑張りたいですね」(黒木さん)。
日々やりがいを感じられる万博部の活動を通じて彼らの世界は格段に広がり、有意義な日々を送ることができているようだ。「最初は僕の活動にあまり興味が無さそうだった両親が、今では「今日は何したん?」「なんか万博のことやったんやろ?」と徐々に万博に興味を持ち始めたんです。前売りチケットももう買ったと(笑)。自分が参加する活動で、こうやって周囲に万博への期待や良さが伝わっているんだなとやりがいを感じたし、うれしくなりました」(川上さん)
「万博にかかわっている方々にお会いできて、未来への熱い思いを知ることができたのもこの活動だったからこそ。シンプルに万博とかかわりたいと思って入部したけれど、それ以上のことを学べる機会がこれまでに数多くありました。そのすべてが今後のイベントに役立てられると思います」(北村さん)
大阪・関西万博はもちろんのこと、関大万博部が手掛ける今後のイベントにも期待が高まる。