関西大学と「JAながの」の共同開発によって、旨味と栄養素の含有量が従来品よりも大幅にアップした、特別なきのこが誕生した。ブランド名は「豊茸(HOUDAKE)」。プロジェクトの中心となったのは、大学発ベンチャー企業「株式会社Ku:P」の代表取締役を務める、商学部の西岡健一教授。そしてきのこの開発には、化学生命工学部の老川典夫教授が携わった。産学連携によって、社会課題を解決し、新しい市場の創造を目指す本プロジェクトについて、お二方に聞いた。
関西大学商学部の西岡教授によるプロデュースと、化学生命工学部の老川教授による開発によって誕生した「豊茸(HOUDAKE)」。ビジネスとバイオテクノロジー、それぞれの専門分野を活かし実験を繰り返しながら、新しい価値の創造を目指した。
JA職員ときのこ農家と研究者と学生、さまざまな立場の人々をつなぎ、本プロジェクトをダイナミックに推進してきた西岡教授は、最後に次のように話す。
西岡教授の試算によると、およそ20万世帯が月に2回「豊茸」を消費することが、当面の市場づくりにおける成功の目安だとのこと。現在(2024年2月)、「豊茸」の販売は長野県と大阪府内に限られているが、今後は周辺地域や都市部、さらには世界を目指して販路を広げていく予定だ。きのこの国内自給率を高め、食卓を豊かに彩る「豊茸」の、今後の展開に期待したい。