
FD活動
FDの定義・方法
関西大学におけるFD(ファカルティ・ディベロップメント)を以下のとおりとします。
1.定義と方針
関西大学におけるFD(ファカルティ・ディベロップメント)とは「建学の精神および教育理念のもと、学部・研究科等の教育目標を実現するために、個々の授業やカリキュラムの向上、及び全学的な組織や学習・教育環境の整備について、教職協働や学生参画により推進するとともに、継続的に検証を行い、さらなる改善に活かしていく活動」と定義します。本学では、学びの質向上を目指し、学部・研究科等の活動における質を保証するための取り組みの基盤としてFD活動を位置づけています。
2.方法
FDの方法として、研修プログラム(プレFD含む)、教材開発、個別相談、教育研究等があります。具体的な方法を下記に示します。
研修プログラム
研修プログラムではオンデマンド形式で講義映像等を配信し、基本的な知識やスキルに教員がアクセスしやすい環境づくりを目指します。対面研修時では、対話を重視するワークショップ形式を導入し、気付き・発見を共有し、課題に対する理解を深める場を作ります。また学部教員が講師となる機会を設けます。セミナーを録画し配信することも適宜実施します。
(ただし、研修目的に応じてこれらの方法を変更する場合があります)
教材開発
教育方法や教育評価に関連するeラーニング教材、教育ガイド(グループワークの効果的な実施方法、ルーブリックの使い方ガイド等)を開発・提供しています。また授業で活用できる共通教材として関大LMSからダウンロードできる「レポートの書き方ガイド」「プレゼンテーションの作り方ガイド」等も開発しています。そのほか、教育開発支援センターの取り組みや教育実践に関するTips等を紹介するニューズレターを年2回発行しています。
個別相談
教員からの依頼に基づき、授業をよりよくするための相談(1回40分程度)を行います。オンラインでも対応可能ですので、お気軽にお問い合わせください。
教育研究
年1回研究紀要『関西大学高等教育研究』を発行し、高等教育における教育実践研究等を共有する機会を設けています。
3.実施体制と対象
FDの実施体制は、教育開発支援センターと教学IRを主軸とし、学部・研究科等と協力を得ながら実施します。また外部学協会とも適宜連携をとります。FD活動は「①部局間等の組織を対象としたマクロレベル」「②カリキュラム単位を対象としたミドルレベル」「③個々の授業を対象としたミクロレベル」の3つに区分されます。これらは相互に関連し、複数のレベルにまたがる活動もあります。活動の対象者は3つのレベルに関わる大学教職員および大学教職員を目指す本学学生を対象とします。
4.評価と改善
FD活動の効果と課題を継続的に把握するため、アンケート・ヒアリング等による調査、自己点検評価、認証評価などの方法で定期的に評価を行います。これらの評価結果に基づき具体的な改善策を策定・実施し、PDCAサイクルを確立することで、大学全体の教育の質向上に寄与します。



FDプログラムガイド
FDプログラム
FD研修の対象を「①部局間等の組織を対象としたマクロレベル」「②カリキュラム単位を対象としたミドルレベル」「③個々の授業を対象としたミクロレベル」とします。代表的なFDプログラムを下記に示します。下記プログラムに限らず、学部・学科等からの依頼があれば柔軟に対応します。なお、開催時間や時期は変更になることがあります。今年度実施のプログラムに関してはこちらをご覧ください。
段階 | 研修内容 |
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マクロ(大学全体) |
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ミドル(学部・学科) |
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ミクロ(各授業担当者) |
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*なお、講師は教育推進部教員、学部講師、学部教員を含む
これまでの実施記録
FDに関するeラーニング教材
全て学内限定公開となります。
- ベーシック
教材 | 内容 | 動画リンク |
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①高等教育の質保証と教学マネジメント (講師:山田剛史) (16分29秒) |
少子化の進行により大学は深刻な危機に直面し、高等教育には「出口の質保証」や実質性を重視した認証評価制度への見直しが求められている。本動画では、学習成果を軸とした内部質保証と教学マネジメントの強化による、教育の質向上と社会的責任を果たす方策について解説する。 | 動画はこちら |
②アクティブラーニングが求められる理由 (講師:三浦真琴) (11分29秒) |
教育パラダイムの限界を受け、大学は知識を与える場から学習を創出する場へと転換しつつある。本動画では、教員の役割が知識の伝達者から学習環境のデザイナーへと変化する中で、学生が主体的に学ぶアクティブラーニングの意義と実践を解説する。 | 動画はこちら |
③学生の学習意欲をどう育むのか (講師:山田嘉徳) (19分33秒) |
学習意欲は行動の生起・維持・方向付けからなる複雑なプロセスであり、自己効力感や自己決定、達成目標が深く関わっている。本動画では、学習者中心の視点で学生の声を尊重し、自立性を支える教員の役割と支援方法について解説する。 | 動画はこちら |
④大学の授業をデザインする (講師:岩﨑千晶) (22分25秒) |
本動画は、インストラクショナルデザインの考えに基づき、学習目標、教育内容・方法、評価方法のバランスを踏まえた授業設計の仕方について紹介する。 | 動画はこちら |
⑤ニューノーマルの学習評価をどう考え、実施するか (講師:山田剛史) (19分00秒) |
学習評価は、学生の学習実態を把握し、適切なフィードバックを通じて学習成果を目標と照らして判断するプロセスである。本動画では、対面・オンラインによる形成的評価、ルーブリックやICTツールの活用など、多様な評価方法の工夫と実践を解説する。 | 動画はこちら |
⑥シラバス記入の方法 (講師:山田嘉徳) (17分28秒) |
シラバスは学生と教員の重要なコミュニケーションツールである。本動画では、授業目的や評価方法の明示、教育目標との連携、質保証のためのPDCA、さらにオンライン授業におけるフィードバックの重要性を解説する。 | 動画はこちら |
- アドバンスド(順次公開予定)
教材 | 内容 | 動画リンク |
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①青年期の心理と関大生の特徴 (講師:山田剛史) |
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②ゼミ教育のデザイン (講師:山田嘉徳) |
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③グループワークの授業デザイン (講師:三浦真琴) |
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④大規模授業でのアクティブラーニング,フィードバックの方法 (講師:岩﨑千晶) |
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⑤ICTを活用した授業 (講師:岩﨑千晶) |
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⑥学生によるピアサポート (講師:三浦真琴) |
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⑦ルーブリックを活用した評価方法を考えよう (講師:岩﨑千晶) |
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⑧多様な学生への合理的配慮を考える (学生相談支援センター) |
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⑨学生の声を授業改善に活かす方法 (講師:山田剛史) |
- 教育開発支援センターの取り組み/LMS等の使用方法について
教材 | 内容 | 動画リンク |
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①教育開発支援センターにおける取組 (FD/学習支援) (14分21秒) |
教育開発支援センターは、全学的な教育の質向上支援体制を企画・推進し、FD活動を通じて教育改善に貢献している。本動画では、関大LMSやルーブリック活用、FDセミナー、TA・LA・SAによる学習支援の取組といった、本センターの活動内容を紹介する。 | 動画はこちら |
②ICTを活用した授業展開 (13分05秒) |
本動画では、本学のICTツールを活用することによって展開できる授業手法を紹介する。授業目標を達成するために、ICTツールをどのように活用して、学習者の理解把握や学習支援を効果的に行ことができるのか解説する。 | 動画はこちら |
③LMSの基本的な操作方法の説明 (資料提示、レポート提出、小テスト、掲示板) (16分44秒) |
本動画では、関大LMSの基本操作として、資料提示、レポート提出、小テスト実施、掲示板交流の4つの機能を、実際の関大LMSの画面を用いながら解説する。 | 動画はこちら |
④動画撮影、編集、配信ソフト(Panopto) | 関大LMSと連関して使用できるクラウド型動画編集配信ソフト(Panopto)の概要・機能説明や、実際の動画編集方法などを詳細に解説する。 | 動画はこちら |
今年度のFDプログラム
2025年度のFDプログラムを下記に記します。(予定は変更となる可能性があります)
実施時期 | レベル | タイトル | 担当者・講師 | 開催のお知らせ | 実施報告 |
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4月 | マクロ | 新任教員研修 |
岩﨑千晶 植木美千子 三浦真琴 山田剛史 山田嘉徳 |
詳細はこちら | |
ミクロ | FDトークセッション:大規模言語モデル(LLM)の教育への応用:生成AIの可能性 |
水本篤 植木美千子 |
詳細はこちら | 詳細はこちら | |
5月 | マクロ | FDトークセッション:学部学科のカリキュラム再編成~環境都市工学部都市システム工学科を事例に~ |
安田誠宏 岩﨑千晶 |
詳細はこちら | 詳細はこちら |
7月~8月 | ミクロ | FDトークセッション:ゼミナールにおける学びを深める方法を考える |
山田嘉徳 三浦真琴 |
詳細はこちら | |
マクロ | プレFDプログラム |
木村麻子 岩﨑千晶 三浦真琴 山田剛史 山田嘉徳 |
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9月・10月 | ミクロ | FDトークセッション:学生の学びに対するエンゲージメントをどう高めるか~学生理解×学習環境×心理的安全性~ | 山田剛史 | ||
10月~1月 | マクロ | Future Designプログラム |
岩﨑千晶 三浦真琴 山田剛史 山田嘉徳 |
||
マクロ ミドル |
IRの調査結果報告&FD |
山田剛史 山田嘉徳 |
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12月・1月 | ミクロ | シラバス作成 | 山田嘉徳 | ||
2月 | ミドル | 各学部における初年次教育担当教員向けアカデミックライティングに関わるFD | 張暁紅 | ||
マクロ | 教育改革実践フォーラム |
山田剛史 山田嘉徳 |
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3月 | マクロ | 非常勤講師向けFD | 岩﨑千晶 | ||
年1回 | ミクロ | FDフォーラム |
外部講師 岩﨑千晶 植木美千子 三浦真琴 山田剛史 山田嘉徳 |
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2024年11月13日(水)
FDトークセッション「オンデマンド授業の実際:どんな講義映像と学習課題を提供しているの?」2024年11月20日(水)
第30回関西大学FDフォーラム「大学における合理的配慮の実践と学生支援のあり方を考える」2024年7月10日(水)
FDトークセッション「生成AIを活用した教育実践を共有しよう!」2024年6月12日(水)
FDトークセッション「大規模授業でのアクティブラーニング・フィードバックの方法を考えよう!」2024年5月29日(水)
FDトークセッション「アセスメントプランの確立に向けたルーブリックの活用」2023年12月19日(火)
FDセミナー「教育実践論文の書き方を学ぼう」2023年6月24日(土)
第29回関西大学FDフォーラム「高等教育におけるChatGPTの教育的利用を考える」2023年6月14日(水)
ハンズオンセミナー「言語生成系AIについて学び、実際に使ってみよう! ー教育活動におけるChatGPTの効果的な活用を考えるー」2022年12月10日(土)
第28回 関西大学FDフォーラム 「小学校・中学校・高校・大学を通じたライティング力の育成―探求学習を主軸とした学習環境のデザイン―」2022年7月9日(土)
第27回 関西大学FDフォーラム 「学生の多様性に寄り添う大学授業における合理的配慮を考える」
個別相談
授業コンサルテーション
教育開発支援センターでは、よりよい授業づくりをサポートするための「授業コンサルテーション」を実施しています。授業の質向上を目指す教員の皆様を教育の専門家が個別に支援いたします。学習活動、教授法の提案など、様々な側面から授業の強みと改善点を明らかにし、教員の教育力向上をサポートします。
提供内容
教授法の提案: 授業目標に合わせた効果的な教授法や教材活用について助言します。
個別面談: 授業に関する悩みや課題について、専門スタッフと個別に相談できます。
お申込み
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※申し込みを確認し、後日担当者よりご連絡いたします
留意点
・授業コンサルテーションは、FD活動の一環として提供されています
・守秘義務を遵守し、相談内容は外部に漏れることはありません
・授業評価ではなく、授業改善のための建設的な対話を重視しています
・教員の自律性を尊重し、協働的なアプローチで支援します
お問い合わせ
教育開発支援センター(ctl-staff@ml.kandai.jp)