ニュース

講演会ニュース

2013年05月21日

総合情報学部講演会(6月24日)「脳科学における情報解析の重要性と必要性」を開催します

*日 時:平成25年6月24日(月)14:40~16:10
*場 所:高槻キャンパス TB106
*講 師:シカゴ大学 有機体生物学解剖学科 高橋 和貴 先生

近年の材料工学や生産工学、さらに、電子機器の進歩や小型化により、脳科学におけるデータ情報解析の進歩は目覚ましいものがあります。過去の神経細胞学の研究では、一つの脳神経細胞を計測しその活動を記録して脳神経細胞の振る舞いを解析していました。しかし、現在では、神経細胞を大きな神経回路網の一部品として捉え、多点電極装置でそれらの活動を記録する解析方法が多用されています。一方、動物の行動は環境に依存して適応し、脳活動もそれらに合わせて適応的に振舞っていると考えられます。
本講演では、講演者が現在所属しているシカゴ大学有機体生物学解剖学科での研究目的や意義、また、実験環境や最先端の研究成果などを紹介します。具体的には、多点剣山電極装置を用いた猿の咀嚼運動の解析例と猿の上腕運動を行う際の第一運動野での神経回路網の活動値の推定方法や解析方法を説明します。また、これらのビッグデータを解析するため、Cray社スーパーコンピュータを用いた実用例も紹介します。猿の咀嚼運動の研究では、スパイキングニューロンのパターンがダイナミックに変化することが発見されました。また、上腕運動の研究では、ある種の脳神経回路網が特定の連続信号の空間時系列パターンを生成することを発見しました。これらの研究成果は、脳神経細胞が本質的にどのような特質をもち、どのような計算処理を行なっているかを解明するための重要な鍵と言えます。これらの成果から、さらなる研究の進展が期待できます。

このページの先頭へ