ニュース

全般ニュース

2005年05月02日

JR福知山線脱線事故「悲報に接して」

本学部の皆さんへ「悲報に接して」

4月25日にJR尼崎駅付近で発生したJR福知山線脱線事故において、本学部2年次生の福田佳奈さんが不幸にも事故の犠牲となられました。学生としての本分を果たそうとした一日の始まりに、大学生活もまさにこれからという二十歳を前にして、なぜ尊い命を奪われなければならなかったのか。その現実の非情さに、言いようのない憤りと無念さが込み上げてきます。

27日の通夜及び28日の告別式に、学長はじめ本学部関係者が参列し、ご遺族に深く哀悼の意を表し、故人のご冥福を心よりお祈りしてまいりました。告別式では、小学校以来の親友が弔辞を読まれ、様々なエピソードを紹介してくださいました。いつも、自分よりも他人を思いやり、最後に損をすることもあったこと。この春、清水寺で絵馬に願いをかけたとき、「みんなが幸せになりますように」と書いていたこと。お人好しともいえるほどの優しさで、だれからも慕われ愛されていたこと。

福田佳奈さんの悲報はとりわけ授業やサークル活動を通して彼女の人柄に触れる機会を得た人たちにとって大きな衝撃であったに違いありません。私も、 26日早朝のテレビ画面に福田佳奈さんの名前を発見したときに、取り返しのつかない事態に至ってしまったと、言いようのない衝撃を覚えました。以来、ここで終わってはいけない命が失われてしまったという現実といかに向き合うかで、私自身ももがいているというのが現状です。

ただ、告別式でうかがった親友の弔辞とお父様のご挨拶から確かに言えることは、福田佳奈さんが自分のために人が苦しむことを絶対に望まない人であるということです。"なぜなのか"、"なぜ彼女なのか"という問いから逃れられなくとも、福田佳奈さんの人の幸せを願う心を思い起こし、立ち直ってください。一年余りという短い日々ではあったけれども、このキャンパスで、同じ時間、同じ空間を共有できたことを誇りに思い、前に進みましょう。そして、福田佳奈さんという存在をこれからも覚えていましょう。それが、私たちに出来る数少ない供養ではないかと思います。

皆さんとともに、若くして逝った尊い命を悼み、故人のご冥福を心よりお祈り申し上げたいと思います。福田佳奈さん、どうぞ安らかにお休みください。

このページの先頭へ