研究室探訪

研究室探訪 Laboratory Tour...

研究室探訪

Laboratory Tour

環境都市工学部

システム理工学部の研究

VR手術支援研究

京都大学医学部附属病院と連携 VRで内視鏡手術の歴史を変える

機械工学科
小谷 賢太郎 教授

MR(ミックスド・リアリティ=複合現実)を駆使し、 音声と視線で操作できる手術支援システムを開発。

「手術中に患部の映像を執刀メンバーで共有し、メスを入れる範囲を示しながら検討できれば、どんなにいいだろう」。京都大学医学部附属病院との連携による開発プロジェクトは、こんなニーズからスタートしました。音声や視線で操作できることから、手袋をしたまま空間にディスプレイを出現させ、ソフトを立ち上げて、電子カルテの閲覧、ジェスチャー入力も可能。内視鏡による手術では、患部の映像に視線でラインを引いて執刀メンバーの理解を高めれば、腫瘍を確実に取り除くことにつながります。小谷 賢太郎先生はシースルー型ヘッドマウントディスプレイなどのハードを選び、アプリケーションソフトウェアをオリジナルで作成し、手術に特化したシステムを構築してきました。「手術の精度を高める、達成感の大きい開発。音声認識、通信速度などを向上させ、3年後の実用化をめざします」。

環境都市工学部の研究

建築学科
宮地 茉莉 助教

フィールドワークを通して地域の文化や風土を学び地域課題の解決策を提案する。

大災害やパンデミックなど多くの要因により著しく変容していく現代社会の中で、SDGsにも掲げられるように経済・社会・環境の3つの側面のバランスが取れた「持続可能な社会」が求められています。私たちは「限りある資源をどのように活用して豊かな居住環境を構築していくのか」という問いを掲げ、長い歴史の中で人々がどのように工夫し自然環境や災害と共存してきたのか、さまざまな地域の文化や風土にそのヒントがあると考え、国内だけでなく海外の農山村集落まで対象としてフィールドワークに取り組んでいます。フィールドワークでは住居の実測調査や地域住民や行政へのヒアリングのほか、ワークショップなどを企画して地域課題についても話し合い、外部の視点から地域のポテンシャルを見出し、より良い居住環境の提案にも取り組んでいます。

建築学科
池永 昌容 教授

「想定外」の巨大地震にも安全性を確保するための耐震・制振・免震を提案する。

東日本大震災以後に注目されつつある長周期長時間地震動や、発生が危惧されている南海トラフ地震は、建築構造物に大きな被害を与えて安全性を脅かす可能性が高いと言われています。地震による建物の被害を抑制・予防して安全性を確保するために、建物の揺れを低減・減衰させる制振装置(ダンパー)が使われます。従来のダンパーは、設計で想定した地震に対しては有効ですが、南海トラフ地震のような従来の想定を超えた巨大地震や小規模地震では、性能を十分に発揮できない場合があります。そこで研究室では、地震動の規模や特性ごとに異なる建物の動き方をダンパーが自動的に検知し、その特性に応じて性能が切り替わり、どんな地震にもフレキシブルに対応できる「スマートパッシブダンパー」の研究を進めています。

都市システム工学科
尹 禮分 教授

社会・都市システムの最適化と知能化に関する技術開発

都市や社会は、人口減少や気候変動の影響により、さまざまな課題に直面しており、安全で効率的な都市づくりがこれまで以上に重要になっています。本研究室では、機械学習・人工知能・数理的アプローチを活用した課題解決に取り組んでいます。たとえば、大雨時の河川水位を予測して早めの避難につなげたり、災害時に救援物資をどの避難所へ優先的に届けるべきかを検討したりするなど、基礎理論から応用まで幅広い研究を行っています。こうした研究を通して、便利かつ安全で持続可能なまちづくりに貢献し、レジリエンスの高い社会の実現を目指します。

都市システム工学科
橋本 雅和 准教授

衛星画像やビッグデータを活用し、河川氾濫の予測と被害軽減に取り組む

近年、気候変動の影響により豪雨災害は激甚化・頻発化しており、河川氾濫による被害は深刻な社会問題となっています。こうした災害に対して、「どこで氾濫が発生するのか」「氾濫後にどこまで影響が広がるのか」を正確に把握することが、防災・減災の観点から重要となります。橋本研究室では、衛星画像解析による河道内の植生把握や、高密度な河道断面データを活用した浸水域の推定などを通して、河川氾濫の予測精度向上に取り組んでいます。
さらに、携帯電話の位置情報に基づくモバイル空間統計データを用いた避難行動の分析や、高齢化が進む地域の分布推定、水害時に発生する廃棄物量の予測など、人の動きや社会構造も含めた総合的な防災研究を展開しています。これらの研究は、リアルタイムでの災害状況把握や迅速な避難支援、復旧計画の高度化につながるものであり、データ駆動型の防災・減災社会の実現に貢献することが期待されています。

エネルギー環境・化学工学科
荒木 貞夫 教授

ゼオライト膜を開発し、環境に優しい分離技術への応用をめざす。

薬品などの化学製品の製造には、混合物から純粋な物質を取り出す「分離」というプロセスが欠かせません。従来の蒸留による分離や吸着剤を使った分離は大量の熱や大規模な設備が必要で、環境への大きな負荷が課題とされてきました。最近では、これらに代わる省エネルギーの技術として、「膜」を用いた分離技術が注目されています。私は耐薬品性・耐熱性に優れ、さまざまな分離に長く使える無機膜の研究開発を行っています。特に、無機材料の中でもゼオライトは規則的に微細な空孔を有するため、分子レベルでふるい分けすることができます。ゼオライト膜を用いた二酸化炭素とメタンの分離では、共同研究を行った企業と共に特許を申請。天然ガスやバイオガスから二酸化炭素を分離することで、メタンを精製し、都市ガスなどに利用する技術の実用化をめざしています。

エネルギー環境・化学工学科
福 康二郎 准教授

"光"を最大限に活用した【化学エネルギー・化成品製造】や【有害な環境汚染物質の分解無害化】に挑戦。

エネルギー・環境問題が深刻化している背景から、再生可能エネルギーの1つとして太陽光に代表される光エネルギーの有効活用技術が注目されています。皆さんは"光"と聞くと何を思い浮かべるでしょうか?我々の生活において"光"は必要不可欠であり、そのほとんどは視覚的に利用しています。一方で"光"はエネルギーを持っています。例えば太陽光の場合では、地球に降り注ぐ太陽光エネルギーを100%回収利用できるものと仮定すると、世界の年間消費エネルギーをたったの1時間で賄えるといわれており、膨大なエネルギーが日々降り注がれていることになります。このような光エネルギーを少しでも有効に活用すべく、粉末の『光触媒』という物質を利用した化学物質変換に取り組んでいます。皆さんが良く知る「光合成」も光触媒反応であり、「水と二酸化炭素」を「酸素と糖」に化学変換することで、植物自身の栄養素を作っています。植物のシステムを模倣しながら、高性能な光触媒開発およびさまざまな光触媒反応への応用に挑戦しています。例えば、地球上に豊富に存在する水や酸素を原料に用いた化学エネルギー(水素や過酸化水素)製造や、大気・水質有機汚染物質の分解無害化などです。開発した光触媒が将来のエネルギー・環境問題の解決に貢献できることを夢見て、研究室の学生と共に日々研究を進めています。

化学生命工学部の研究

化学・物質工学科
上田 正人 教授

再生医療技術を利用したサンゴの高効率増殖

再生医療分野では、患部に細胞を注入したり、細胞シートを貼付したり、多彩な治療方法が確立されています。現在、サンゴからその最小単位である「ポリプ」という軟組織を単離し、それを起点にサンゴを高効率で増殖させる技術を開発しています。人工関節など医療デバイスの材料として有名な「チタン」の表面では、ポリプが密着しやすく、骨格形成も旺盛であることが確かめられています。

生命・生物工学科
佐々木 美穂 准教授

有害微生物を制御して安全で快適な環境を提供する

私たちが生活するさまざまな場面で、抗菌加工製品や殺菌剤が使用されています。しかし、それらの効果が十分に得られないことや薬剤耐性菌が出現してしまうことがあります。そこで、適切な抗菌・殺菌効果を示す新しい化合物や素材の評価・開発を行っています。また、殺菌処理前後の微生物叢変化を分子生物学的な手法により解析し、環境に配慮した微生物制御技術の構築をめざしています。

生命・生物工学科
山崎 思乃 教授

乳酸菌の成分や代謝物を利用して健康寿命を伸ばす

私たちの腸内には多種多様な腸内細菌が共生し、健康や疾病に密接に関わっています。発酵食品などに含まれる乳酸菌の菌体成分や菌体情報がつめ込まれた代謝物の膜小胞を利用し、腸内細菌叢のバランスを改善したり、免疫系を活性化することで、私たちの健康の維持増進に貢献する研究をしています。また、培養技術を駆使し、高い機能性をもつ乳酸菌や膜小胞の創出にも挑戦しています。