学科概要
本学科では、新物質や新素材の機能設計、創製、そしてそれらを製造するためのプロセス技術の開発など、多様な「ものづくり」を通して、科学技術の発展に貢献することをめざしています。
研究対象は、原子、分子、高分子、結晶質・非晶質固体(金属・セラミックス・ガラス・半導体など)とそれらを組み合わせて作る複合体など、多岐にわたります。化合物や合成・反応などに関する化学的知識を深め、物質・材料の構造や機能解析・機能評価に関する基礎物理学や生物学的な知識を基礎に自ら必要な材料を創造できる能力を養います。
学びのキーワード
コース紹介
マテリアル科学コース
「もの」の持つ機能を最大限に発揮する、新たな機能を付与するといった、材料学者を育成するコースです。例えば、環境負荷が小さい材料創製など、循環型社会に相応しい材料の研究・開発をめざします。
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光照射による骨類似物質の急速成膜
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アクティブスクリーンプラズマ窒化の様子
- 研究紹介
- 環境と調和したエネルギーを身近に! 新しい水素貯蔵材料の製造の挑戦
化石燃料資源の枯渇と環境問題を解決するエネルギーとして「水素」が注目されています。ただし、水素をエネルギーとして安全に使用するためには、安全にかつ効率良く「水素」を貯蔵するための道具が必要になります。その道具として「水素貯蔵材料」の開発が積極的に進められていますが、水素の貯蔵量やその貯蔵・取り出し条件について満足できる材料はまだ見つかっていません。貯蔵量の増加や安全で容易に貯蔵・取り出しができる材料の開発をめざして、いろいろな物質を組み合わせて、原子の配列(結晶構造)やミクロ(ナノ)組織を調査し、新しい「水素貯蔵材料」の研究をしています。
応用化学コース
ハイテク産業を支え、環境・エネルギー・健康・食糧問題の解決に資する化学者を育成するコースです。目標とする物質合成のための分子設計法や物質を分子・分子集合体レベルで理解する能力を身につけます。
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ナノサイズの金属ナノ粒子
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偏光顕微鏡による液晶パターンの観察
- 研究紹介
- 次世代電池を実現する化学材料
電気自動車、モバイル機器、さらには自然エネルギーの有効利用など、将来社会を担う機器やシステムには多量の電気を蓄え、高速で出し入れでき、さらに安全な未来電池が不可欠です。その実現のために、溶媒を使用せずイオンだけを詰め込んだ「イオン液体」と呼ばれる新しい材料を電池へ応用し、その電池の作動に世界ではじめて成功しました。また、この材料の特別な性質をさらに発展させ、宇宙空間でも安定に作動する電池としても実用化を目指しており、現在、人工衛星に搭載され実証試験が行われています。
バイオ分子化学コース
化学の立場から医療・生命科学の発展に貢献する研究者を養成するコースです。タンパク質や多糖、DNAなどの生体分子や、細胞や生体組織そのものに対して働く、新しい分子や高分子材料を、自らで設計・合成する能力を身につけます。
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体内でゲル化するインジェクタブルポリマーとその中で増殖する細胞
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細胞マイクロアレイ
- 研究紹介
- 医療に利用できる賢い材料
外界の変化に応答する賢い材料(インテリジェント材料)は新しい医療材料として期待されています。これまでに病気のシグナルとなるタンパク質を見つけて体積変化するゼリー状物質(ゲル)の合成に世界で初めて成功。これらの成果は世界最高峰の学術誌“Nature”に掲載され、独立行政法人科学技術振興機構の予算によって研究が実施されました。現在、このようなインテリジェントゲルを利用して新しい診断システムやシグナルに応答して薬を投与するシステム(ドラッグデリバリーシステム)の開発にも取り組んでいます。
研究室の窓

研究テーマ:
超高感度EUVレジスト材料の開発
理工学研究科 化学生命工学専攻 化学・物質工学分野
博士課程前期課程 2025年3月修了
岩根 幸太
スマートフォンなどの電子機器の性能は、これまで飛躍的な進化を続けてきました。その要因は半導体の回路が微細化され、半導体の性能が向上したことにあります。私の研究テーマは、半導体の回路をさらに微細化させることを目的として、極端紫外線(波長13.5nmの光)に高感度で反応する「レジスト材料」の開発です。具体的には「特殊構造分子」を利用して、光に対する「感度の悪さ」を克服する研究です。「レジスト材料」は半導体開発の未来を変える技術として、多くの企業が研究しています。先端分野だけに難しいことは承知の上で取り組みましたが、2年半にわたって試行錯誤を続け、ようやく成果を出すことができました。うまく応用されれば、半導体の性能と生産効率を大幅に向上させる可能性をもった研究であると自負しています。
この学科を選んだ理由
実験結果が目に見えやすい化学を学ぶために入学。宇宙分野に応用される「イオン液体」に関心をもったことがきっかけでこの学科を選びました。
将来の目標
卒業後は半導体開発の技術職に就きます。物理や機械出身者が多い職場なので、大学で学んだ化学の知識を生かして、自分にしかできない仕事がしたいと思います。
学びのステップ
| 1年 | 共通カリキュラム |
|---|---|
| 2年~3年春学期 コース教育 (※1) |
マテリアル科学コース(※2) |
| 応用化学コース | |
| バイオ分子化学コース | |
| 3年秋学期~4年 | 研究室配属(※3) [特別演習、特別研究] |
- ※1.
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コース定員:希望者の多いコースは均等より少し多くする予定です。
コース配属の仕方:1年次配当の卒業所要単位のうち49単位以上修得した場合、必ず希望のコースに進めます。また、各コースの希望者数に大きな偏りがない場合は希望のコースに進めます。
大きな偏りがあった場合は卒業所要単位の修得単位数の多い人(同じ単位数の場合総得点の高い人)から希望のコースに進めます。 - ※2.
- マテリアル科学コースはJABEE(日本技術者教育認定機構)の認定を受けているため、コース生は卒業と同時に修習技術者としての資格が与えられ、技術士第一次試験が免除されます。
- ※3.
- ほとんどの研究室が複数コースから学生を受入れます。ただし、研究分野により各コースからの受入れ割合は異なります。
特色あるプログラム
グローバル人材育成プログラム
化学・物質工学科では、独自のグローバル人材育成プログラムを設置しています。海外体験研修(10日間)では、夏季休暇を利用したタイ王国提携校との連携プログラムを通じ、大学の講義に加え、研究室見学、現地学生との交流や日系企業への訪問を行います。短・中期留学プログラム(1~3ヶ月)では、米国をはじめタイ王国などの研究室で基礎実験、ゼミの参加、現地学生との交流など、多様な活動を通して、国際的な感性や多角的な視点を身に付けます。修了後は学問・研究の普遍性を実感できます。
予想される将来のフィールド
- 化学メーカー
- 素材メーカー
- 電機メーカー
- 半導体メーカー
- 自動車メーカー
- 製薬会社
- 食品メーカー
- 化粧品メーカー
- 大学院進学
取得できる資格
所定単位を修得すると資格を取得できるもの
- 中学校教諭一種免許状〔理科〕
- 高等学校教諭一種免許状〔理科・工業〕
- 司書
- 司書教諭
- 学芸員
- 毒物劇物取扱責任者
卒業時に受験資格が得られるもの
- 甲種消防設備士
所定単位を修得すると在学時から受験資格が得られるもの
- 甲種危険物取扱者
マテリアル科学コースを卒業すると、修習技術者(技術士補となる資格を有する者)になることができます。
カリキュラム
1年次は共通カリキュラムで基礎を固め、2〜3年次春学期は3つのコースに分かれて専門性を深めます。3年次秋学期から研究室に配属され、特別演習・特別研究に取り組みます。
1年次
必修科目
- 第1選択外国語I・II
- 第2選択外国語I・II
- 数学を学ぶ(関数と微分積分の基礎I)
- 数学を学ぶ(関数と微分積分の基礎II)
- 物理を学ぶ(演習含)(基礎物理学I)
- 物理を学ぶ(演習含)(基礎物理学II)
- 化学を学ぶ(演習含)(基礎化学I)
- 基礎化学II
- 基礎化学III(演習含)
- 物理化学I(演習含)
- 物理化学II(演習含)
- 物理化学III
- フレッシュマンゼミナール
- オリエンテーションゼミナール
- 化学実験
選択必修科目
- 基礎からの情報処理
- 線形代数
- 物理学実験
選択科目
- 共通教養科目(『大学案内(インフォメーション)』参照)
2年次
必修科目
- 第1選択外国語III・IV
マテリアル科学コース
- 材料の強さと変形(演習含)
- 材料熱力学
- 固体の物理的性質
- 結晶構造とX線回折
- 状態図と材料組織
- 速度論と物質移動
- 情報処理演習
- マテリアル科学実験I
- マテリアル科学実験II
応用化学コース
- 有機化学I(演習含)
- 有機化学II
- 反応速度論
- 無機化学I
- 無機化学II
- 高分子化学
- 機器分析演習I
- 基礎化学実験
- 応用化学実験I
バイオ分子化学コース
- 生体分子化学I
- 生体分子化学II
- 生物物理化学
- 有機化学I(演習含)
- 有機化学II
- 無機化学I
- 高分子化学
- 機器分析演習I
- 基礎化学実験
- バイオ分子化学実験I
選択必修科目
マテリアル科学コース
- 数学解析I
- 材料の強さと組織
- 格子欠陥と塑性変形
- 相変態と組織制御
- 核生成・成長と凝固過程
- 材料電気化学
- 工業製図
応用化学コース
- 分光物理化学
- 高分子合成化学
- 生物有機化学
- 生体材料化学
バイオ分子化学コース
- 分光物理化学
- 高分子合成化学
- 高分子材料化学
- 無機化学II
- 反応速度論
選択科目
- 統計的品質管理
- 海外体験研修(化学・物質工学)
応用化学コース
- 情報処理演習
バイオ分子化学コース
- 情報処理演習
3年次
必修科目
- 安全工学
- 科学技術英語I
- 科学技術英語II
マテリアル科学コース
- 技術者倫理
- 金属材料
- マテリアル科学演習I
- マテリアル科学演習II
- マテリアル工学実験I
- マテリアル工学実験II
応用化学コース
- 機器分析演習II
- 応用化学実験II
バイオ分子化学コース
- バイオ分子化学実験II
選択必修科目
マテリアル科学コース
- 塑性加工学
- 鋳造工学
- 材料精製工学
- 複合化プロセス
- セラミック材料化学
- 半導体材料
- 社会環境適応材料
- 高分子材料化学
- 材料機器分析
- マテリアルコロキウム
応用化学コース
- 有機合成論
- 有機反応論
- 有機工業化学
- 機能性高分子
- 高分子材料化学
- 錯体化学
- 無機材料化学
- 電気化学
- 環境化学
- エネルギー化学
- 量子化学
- 化学工学
- 応用化学コロキウム
バイオ分子化学コース
- 量子化学
- 電気化学
- 有機合成論
- 生物有機化学
- 生物無機化学
- 生体無機材料
- 分子生物学
- 医用材料化学
- 機能性高分子
- 機器分析演習II
- 環境化学
- 化学工学
- バイオ分子化学コロキウム
選択科目
- 知的財産権法
マテリアル科学コース
- 量子化学
- 技術者ビジネス法
応用化学コース
- 技術者倫理
バイオ分子化学コース
- 技術者倫理
自由科目
- 特別演習
4年次
必修科目
- 特別研究I
- 特別研究II
選択科目
マテリアル科学コース
- 環境工学
※カリキュラムは入学年度により異なります。詳細はKAN-CAN!をご確認ください。
先入観にとらわれない柔軟な発想が、大きな成果につながりました。
化学・物質工学科
工藤 宏人 教授