理工学研究科化学生命工学専攻 貫戸彩花さんが第34回日本健康医学会総会において湖歩会藤原賞を受賞
対象となった研究は,スケトウダラ由来タンパク質(APP)の摂取が老化促進モデルマウスSAMP8に与える影響を,短期記憶および腸内環境の観点から評価した。短期記憶を評価できるY字型迷路試験の結果,APPを摂取したSAMP8マウスでは交替行動率が上昇し,作業記憶の維持効果が確認された。さらに,APP摂取により回腸の杯細胞数や糞便中のムチン量が増加し,腸管バリア機能の向上が示唆された。腸内細菌叢の解析では,Ligilactobacillus属の増加が確認された。また,粘液バリア形成や腸粘膜修復に関与する遺伝子(Agr2やTff3)の発現もAPP摂取により上昇傾向を示した。以上の結果から,APPの摂取は老化促進マウスの認知機能の維持に寄与する可能性があり,今後腸脳相関を介した作用機序のさらなる解明が期待された。
発表の場である第34回日本健康医学会総会では,約70の発表があった。その中で,優秀な発表を行った30歳以下の若手研究者に授与される湖歩会藤原賞を受賞しました。