KANDAI HEADLINES ~ 関西大学の「今」

母校・関西大学で金丸夢斗選手が語る "プロ1年目"とこれから

文化・スポーツ

/中日ドラゴンズ 金丸 夢斗 選手


 中日ドラゴンズのドラフト1位左腕として、プロ1年目を駆け抜けた金丸夢斗選手(22)が2025年12月に、母校・関西大学を訪れた。プロの世界で感じた手ごたえや今後への決意を語り、母校野球部での経験を胸に後輩たちへ力強いメッセージを送った。

試練を力に、一歩ずつ日本のエースへ

 久々に関西大学千里山キャンパス「KAISERS BASEBALL FIELD」に姿を見せた金丸選手。リーグ戦で優勝から遠ざかっているチームの近況に、「全然あかんやんけ」と笑顔で激を飛ばし、後輩たちと和やかに交流した。時間があれば配信で後輩の試合をチェックし、ブルペンのナイター設備を寄贈するなど、離れていても母校を思う気持ちは変わらない。

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(左)久しぶりに再会した後輩と談笑する金丸選手
(右下)金丸選手から寄贈された照明。
設備寄贈時の記念プレートには、金丸選手の投球シルエットがあしらわれている

 関大OBで、現在はアドバイザリースタッフとして母校野球部を指導する元阪急ブレーブス(現:オリックス・バファローズ)の山口高志さんとは、率直な意見を交わした。

 「もっと楽に抑えられないか」

 山口さんのひと言は、金丸選手がシーズンを通して自覚していた課題だ。配球の工夫や引き出しを増やし、いい意味での遊び心を持ってくれたらという思いがある。「ストレートの質はプロでも通用する。これからは変化球にも磨きをかけていけ」。恩師との対話は、自身の現状を見つめ直す貴重な機会になったようだ。


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山口さんは、高校時代から現在に至るまで金丸選手を見守り続けている

プロ1年目の収穫は経験

 プロ1年目は、開幕こそ腰の故障で出遅れたものの5月にデビュー。思うように勝ち星に恵まれず、10試合目にしてようやく白星をつかんだ。「周りのルーキーが勝つ中で焦りはあったが、引きずるタイプではない。(皆さんが思うほど)落ち込んではいなかった」と、タフさをのぞかせる。

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8月7日、8回を投げプロ初勝利をつかみ取った直後のインタビューでは大歓声を浴びた(写真提供:共同通信社)

 その後も、プロの壁にぶつかりながらも先発の一角として投げ続け、15試合に登板して2勝6敗、防御率2.61と安定した投球を見せた。シーズン終了後には野球日本代表「侍ジャパン」に選出されるなど、球界を代表する左腕への一歩を踏み出した。
 「苦労することは分かっていた。それを経験できたことが収穫」と、ルーキーイヤーを前向きに振り返った。

来季への課題と目標

 来季に向けた課題を聞いた。
 「攻め方です。初球からコースぎりぎりを攻めすぎて、決め球がなくなることがあった。ファウルを打たせてカウントを整えるなど、もっとアバウトになってもいい。あとは変化球を磨くこと。前半戦は特にスプリットの落ちが悪かった。スライダーやカーブもまっすぐの軌道に乗せながら曲げることを意識したい」。理想の投球へのロードマップはすでに頭の中に描かれている。

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 来季の目標は、規定投球回数への到達と2桁勝利を掲げる。特に規定投球回数へのこだわりは強い。シーズンを戦い抜き、その壁の高さを痛感したからこそ、「今後長く投げ続けていくための最低限のスタートライン」と位置づける。
 今季のドラゴンズ先発陣は松葉貴大選手や大野雄大選手などベテラン勢の奮闘が目立った。「ベテラン選手ばかりに頼ってはいけない。若手が引っ張らないと」。同学年の髙橋宏斗選手とともに、左右の二枚看板で投手陣をけん引する構えだ。

 今オフは、大島洋平選手の紹介で、憧れの今永昇太選手(シカゴ・カブス)との自主トレが実現した。横浜DeNAベイスターズ時代の今永選手と同じ背番号「21」を背負う左腕にとって、技術だけでなく精神面でも得るものは大きいはずだ。

私生活ではサウナやゴルフでリフレッシュ

 関西から名古屋に移り住み、独身寮「昇竜館」からバンテリンドームへ通う日々を送る金丸選手。シーズン中は髙橋宏斗選手と一緒にいることが多いが、寮に戻れば隣室のドラフト同期・吉田聖弥選手ら同学年の選手と世間話で盛り上がり、一緒に好きなサウナにも出掛ける。最近はゴルフにはまり、スコアも順調に伸ばしているという。ゴルフバッグは涌井秀章選手から初勝利祝いにもらったものだ。 新しい環境にもすっかり馴染み、仲間と過ごす楽しい時間が良いリフレッシュになっている。

 年末は、一番落ち着くという神戸の実家で心身をリセットした。母校の後輩や恩師との再会で原点を見つめ直した背番号21。来季、どんな成長を見せてくれるのか。焦らず一歩ずつ経験を重ね、日本を代表する投手へと羽ばたいてほしい。

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関西大学正門にて

金丸選手コメント

母校の後輩たちへ
 関大野球部で徹底された『自分で考えて、自分でやる』自主性は、今のプロでの練習姿勢の土台になっています。(後輩たちには)最近はリーグ戦で悔しい結果になっているが、たくさん練習して、なんとかいい結果で終われるように頑張ってほしい。


ドラゴンズファンへ
 シーズン中も毎試合満員で気持ちよくプレーできています。感謝の気持ちでいっぱいです。それを結果で恩返ししたい。優勝、Aクラスを目指して頑張りますので、引き続き応援をよろしくお願いします。

関大から金丸選手へ ~一問一答~

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金丸選手へは、多くの質問が寄せられた

—ドラゴンズに入って良かったですか?

金丸
 良かったです!先輩・後輩の仲が良く、雰囲気も良い。バンテリンドームで天候に左右されないことも含め、環境面では本当に恵まれていると感じます。

—名古屋でおすすめのモーニングはありますか?

金丸
 モーニングは行かないですね。名古屋めしでは「ひつまぶし」が好きです。ただ赤味噌文化にはまだ慣れなくて、豚汁まで赤味噌なことに「そこはあかんぞ」と突っ込んでいます(笑)。

— 一軍初登板のときは緊張しましたか?

金丸
 表には出さないようにしていましたけど、5月5日のデビュー戦はさすがに緊張しました。侍ジャパンでのマウンドも緊張しました。
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「侍ジャパン」韓国との強化試合で力投する金丸選手(写真提供:共同通信社)

—7月17日地元甲子園での初登板が雨で流れたときの気持ちは?自分のことを雨男だと思いますか?

金丸
 正直ショックでした。やっと甲子園で投げられると思っていましたし、母校(神港橘高校)の安田涼監督も招待していたので・・。あのときはさすがに「雨男かな」と思いましたね。

— 一番投げにくい打者は?

金丸
 DeNAの山本祐大選手です。相性の問題だと思いますが、どこに投げても打たれそうな気がします。佐藤輝明選手や村上宗隆選手はオーラがあって怖いですね。

—ホームランを打たれた後はどんな気持ち?

金丸
 失投で打たれていることがほとんどなので、「やっちゃった」と思います。プロ2勝目を挙げた神宮のヤクルト戦で、村上選手に外角ギリギリのコースを軽くレフトスタンドに運ばれたときは違いましたけどね(笑)。

—大リーグへの挑戦を視野に入れていますか?

金丸
 もちろん目標にしています。まずは、ファンの方に納得してもらって良い印象を持って送り出してもらえるよう、ドラゴンズでしっかり活躍して結果を出したいです。
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金丸 夢斗 ─ かねまる ゆめと
2003年兵庫県生まれ。神港橘高等学校、関西大学文学部を卒業(2025年)。在学中には、関西大学体育会野球部の投手として関西学生野球リーグ新記録となる18連勝を達成した。2024年には日本代表「侍ジャパン」に選出され、欧州代表戦で2回パーフェクト・4奪三振と好投。プロ野球ドラフト会議で4球団から1位指名を受けた末、中日ドラゴンズへ入団。持ち味の高い制球力と伸びのあるストレートを生かしてプロ2年目に挑む。