MENU

COIL BEVI

 >  参考資料  >  COIL BEVI

IIGEの大きなミッションの1つは「研究」であり、COILという教育実践がその活動に参加する学生(学習者)の学びをどう伸長させるのかを明らかにすることです。COIL科目を通して英語学習への関心を取り戻す様子などを見て、私たち大学教職員は学生たちの成長を実感しています。見知らぬ国や地域の仲間とつながり、協働学習をしているうちにその地域への関心が高まり、留学への挑戦に繋がることもあります。COILは学生たちを「変容学習*」体験へと導いていると言えます。このCOILの「効果」は、国際教育分野がさらなる解明を目指す「異文化理解能力(intercultural competence)」の涵養へとつながるものでもあります。

COILがようやく普及しようとしている今、COILの効果検証を体系化することは非常に重要です。例えば、関西大学では3万人の多様な学生たちが在籍していますが、その中でCOILがもたらす学びの体験プロセスからより効果的に成長を遂げる潜在層はどこにいるのでしょうか。国際教育においても、国際教育以外の場面においても、学びの機会はCOIL以外にも多く存在します。数多くの選択肢の中で、COILを体験することが最も適している潜在層はどんな学生なのでしょうか。

また、2018年開始のCOIL Plus (COILと留学を連動させたプログラム)では、COILでの学びと、留学(派遣・受入)の相乗効果検証も欠かせません。留学期間が年々短期化する一方で、短期間の海外体験による学びを深化させるためにどのようなCOIL教育を行うことが有益なのか、といった点も今後の検討課題です。

国内のグローバル人材育成教育においては、外国語(運用)能力の育成も大きな焦点です。対面コミュニケーション、SNSなどを介したコミュニケーション、またそれらを組み合わせたバージョンなど、ITの進化に伴い人間のコミュニケーションの方法はますます多様化しています。それに平行して、言語の運用能力を測定する手法も変化する必要があります。どのような検証ツールが存在し、どのように用いることで学習者の能力を測定できるのでしょうか。

COILを研究するということは、一個人がCOILという体験を通してどのように変化するのかを調べることです。この目的を達成する上で不可欠なのが、個人の変容過程全体を把握できる測定ツールです。ここで紹介するBEVI (Belief, Events, and Values Inventory)は、そうした測定を可能にするツールの一つです。IIGEが進めるリサーチデザインでは、COILの実施前後に学習者にCOIL-BEVIのアンケートに回答してもらい、個々の変化を総合的に分析していきます。

変容学習(へんようがくしゅう/Transformative learning)とは、学習者が、これまでに他者から与えられた前提によって形成してきた、自分自身の信念や経験を「再評価」するまでを導くプロセス